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TPP 秘密交渉の末に「大筋合意」
2015/10/15

売国協定から撤退せよ


「毒素」報じぬマスコミ

 10月5日にTPP(環太平洋連携協定)交渉参加12か国が「大筋合意」に達しましたが、マスコミの報道は大半が「日本経済に追い風」「関税引き下げ 家計に恩恵」(読売)、「食品値下げに期待 消費者の選択肢拡大」(毎日)などと肯定的な内容であり、TPPに盛り込まれた「ISD条項」「ラチェット条項」などの「毒素条項」についてはほとんど触れていません。
 「ISD条項」とは〈相手国に投資した企業が、相手国の政策によって損害を被った場合、相手国を提訴できる〉というもので、国民や環境を守るための正当な規制が、多国籍企業の邪魔になるという理由で訴えられ、規制撤廃や賠償を命じられる恐れがあります。
 その裁判が行われるのは「国際投資紛争解決センター」という世界銀行傘下の機関ですが、世銀総裁は米国出身者が務めるのが慣例となっており、同センターの裁定が米国寄りであることは周知の事実です。

全力で国会承認を阻止

 ISD訴訟では、あくまでも“政府の政策が投資家に与えた被害”だけが審理され、政策の公共的な必要性は考慮されません。しかも審理は非公開で行われ、結果に不服があっても上訴できません。
 さらにTPPには、外資参入などの規制を一度緩めたら再び強化できない「ラチェット条項」も盛り込まれています。規制強化につながる法改正は原則禁じることを約束するもので、締約国が何らかの理由で“規制緩和しすぎた”と気づいても後戻りできません。
 TPP交渉が「大筋合意」に達したからといってTPP協定締結が決まったわけではありません。全労連が10月6日に発表した事務局長談話では「人々の暮らしと地域経済をまもるために、(中略)問題点の告発を強めて、TPP協定の調印・締結、国会承認を阻止するために全力をあげる」としています。