HOME  <  ハンドルおおさか

ハンドルおおさか

ハイヤー・タクシー・観光バス労働者の新聞

過去のトピックスのトップへ

詳細記事

本流逆流(7月5日付コラムより)
2016/07/06

 6月23日、「世界に衝撃が走った」―。英国で行われたEU(欧州連合)加盟をめぐる国民投票で離脱派が僅差で勝利した。
 国会議員が殺害されるなど国を二分した国民投票の投票率は72.2%。結果は51.9%の有権者が離脱を選択し、48.1%が残留を望んだが、EUから脱退することが確実となった。
 その余波は、リーマンショックを越える勢いで日本にも及び“円高株安”が急速に進み、現在も株式市場は混沌としている。安倍首相ご自慢のアベノミクスによる株高は、この1件でいとも簡単に消し飛び、リスクが表面化しても誰も責任をとらない年金基金も数兆円単位で泡と化したのではないだろうか。
 国民投票は究極の民主主義と言われるが、英国を見ていると、これほど怖いものはない。各種報道では、離脱派の「よく考えず一票を投じて後悔している」としたコメントや結果が出てすぐにやり直しの「国民投票」を呼びかける動きなど、国中が混乱していることだけはよくわかる。
 選挙ではよく「風」という言葉が使われるが、4つの国で構成される英国の国民は、風を読み違えたのか、EUからの脱退を選んだ。この先独立問題が再浮上することは避けられない情勢、まさに自らパンドラの箱を開けた。
 日本も対岸の火事ではいられない。参議院選挙の風は…結果如何では、憲法改正の国民投票につながる。日本の将来を見据えて一票を投じて欲しい。