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大阪地連第74回中央委員会 委員長あいさつ
2017/02/15

大阪地連第74回中央委員会 委員長あいさつ

労働条件改善こそ産業守る道


福井勇委員長

 この17春闘は白タク合法化阻止の闘いとともに、タクシー労働者の雇用と生活をどうやって守るのかが焦点になるのではないかと考えています。
 本来であれば一番に行動を起こさなければならない会社側からは危機感が感じられず、むしろライドシェアの対抗策として東京で1月30日から実施された初乗り距離短縮運賃への関心が強く、それをビジネスチャンスと捉える動きもあります。
 安易な運賃値下げ・割引きで泣かされるのはいつも労働者です。需要は増えず労働者の賃下げにしかならない、これは55遠割で実証済みです。元に戻せと訴えても会社は「我が社だけやめるわけにはいかない」と平行線で、いつの間にか大阪の料金体系を象徴するような形として定着し、市民に理解を求めて改正するのは至難の業となりました。

悪質な搾取いまだに

 そんな中、扶養家族を抱えた乗務員はこの産業に見切りをつけ、求職者からは敬遠され高齢化が進行し、毎年約1千人のペースで乗務員が減少しています。稼働率も年々下がる一方で、年間を通してほとんど動かない車を「財産」として温存しているため減休車が進みません。1台当たりの年間維持費を考えると相当な金額になるはずですが、その経費負担が賃上げの障害になっています。車だけあっても乗る乗務員がいなければまさに安定供給ができず、ライドシェアにつけ込む隙を与えているようなものです。
 ならば、動いていない車を動かすためにも求職者から選ばれる魅力的な職場にすべきなのに、いまだに前近代的な手法で労働者を食い物にする事業者がいます。事故を起こせば全額負担させ、それを貸し付けとして支払いが終わるまで会社を辞めさせない、あるいは高額な社内罰金を科して“払うか、辞めるか”を迫る事業者もいます。さらには有給休暇を付与しない事業者、休めば賃金が大幅に下がる“名ばかり有休制度”など、現場では悲痛な声をよく耳にします。

団結の力で職場守る

 本来はこのような仲間を救い改善させる運動を最優先に取り組むべきなのでしょうが、ライドシェア問題で相当な人と時間を割いています。事業者はこの産業と労働者の暮らしを守る気があるのか、疑問に思います。労働条件改善、向上なくして白タク合法化反対の運動は成就しません。
 ライドシェア推進論に打ち勝つためには、100年以上続き世界に誇る日本のタクシーに確信を持って、さらに安心・安全な地域公共交通を目指すことこそが求められます。いまこそ自交総連が提唱しているタクシー運転免許制度を実現すべき時です。
 私たちも巨大な外敵に対して組織をあげて団結することが大切です。各単組・職場で白タク合法化の危険性を周知徹底し全員で参加し、そして事業者の動きが鈍くても自分たちの職場は自分たちで守ろうではありませんか。それをきっかけに同じ職場で働く仲間や地域で働く仲間にも協力を呼びかけ組織拡大を目指し、ライドシェアを日本に入れさせないために最後まで頑張りましょう。