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厚生労働省2016年「賃金センサス」まとまる
2017/03/07

タクシー年収368万円
ほんまかいな月4万円増


 厚生労働省が2月22日に公表した「平成28年(2016年、以後西暦で表記)賃金構造基本統計調査(賃金センサス)」の調査結果から、大阪府の男性タクシー運転者の年間賃金を編集部が推計してみたところ368万1300円となり、実態を反映しているのか疑わしい結果になりました。

 賃金センサスは主要産業労働者の賃金実態について、毎年6月(賞与は前1年間)の状況を調査します。
 大阪府・タクシー運転者(男)の賃金は、6月度給与の平均額が29万9000円で、前年同月比6万8700円増。この時点で眉つばものですが、前年1〜12月に支給された賞与は9万3300円で、前々年比34万8200円減。どうもチグハグです。
 年間賃金を〔6月度給与×12+前年賞与〕で推計すると368万1300円となり、前年より47万6200円(月当たり約4万円)の増という結果になりました。
 大阪府の全産業労働者(男)を見てみると、6月度給与の平均額が39万5700円(前年同月比2500円増)、賞与の平均額は113万8300円(前々年比2万7600円増)で、こちらの変動幅はタクシーよりは穏やかです。年間賃金推計額は588万6700円(前年比5万7600円増)。全産業とタクシーの賃金格差は220万5400円、前回より41万8600円縮小したことになりますが、これらの数字を信用できるなかまは少数派ではないでしょうか。

1乗務1万円の差が

 自交総連大阪地連が昨年4月下旬に行なった「安全運転実態調査」では、日車営収の営業所平均(大阪市域交通圏・中型、4社)が3万2066円(小数点以下切り捨て)でした。この金額に×0.6(賃率)×12(乗務)×12(月)で年間賃金を推計すると277万502円で、賃金センサスより91万円797円下回ります。
 逆に賃金センサスの大阪府・タクシー運転者(男)の年間賃金推計額から、日車営収を賃率60%、12乗務で逆算すると、368万1300÷12÷12÷0.6=4万2607(円)となります。調査月が異なるとはいえ、1乗務1万円も上回っては誤差の範囲内とはいえません。実態とかけ離れた数字に基づいて大阪市域を特定地域から外し、規制緩和を再開するなど絶対に許されません。