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大阪市域交通圏の特定地域計画決まる 供給削減目標8〜12%、ただし強制力なし
2017/05/16

3年要して結実


 開催期日が順延されるなど紆余曲折を経ている第4回大阪市域交通圏タクシー特定地域協議会(安部誠治会長=関西大学社会安全学部長)は5月8日午後、天王寺区の大阪国際交流センターで開催され、強制力を持たない供給削減目標8%〜12%の地域計画が合意(大阪府は採決棄権)されました。
 本来、強制力を伴う減車措置ができる仕組みですが、大阪府や一部の事業者の反対が予想される中、地域計画の合意を優先した結果といえます。そもそも労働環境の改善を所期の目的としたタクシー特措法に基づく協議会なのですが、様々なハードルの高さからスピード感が伴うことなく進められてきたこともあって、現在の状況では意味をなしません。
 実車率が70%を切る実態にある大阪市域交通圏で、12%削減しても労働環境の改善や市場への供給には全く効果が見込めません。
 この間の協議でも大阪の事業者は未だに車両を「財産」だと考える経営者が少なくなく、協議会の運営は困難を極めました。そうした中で、安部会長は舵取りをしてきたのであって、「地域計画」の合意にたどり着けたのは同会長の奮闘はもとより大阪タクシー協会(三野文男会長)をはじめとした関係者の働きかけが実を結んだと言えます。
 「強制力」はないが、真面目に将来を見据え事業運営する事業者にとっては、有効に経費削減ができる「全休車」ができることになります。地域計画の「認可」に2か月程度かかり、その後各事業者が「事業計画」を作成し、早くて10月頃の実施になると思われます。結果的に「特定地域」の指定から3年を要し、「大阪の闇は深い」といわざるを得ません。