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見切り発車“貨客混載”
2017/08/07

まず過疎地!! 最終の狙いは労働者性をなくすこと


 国土交通省は6月30日、「貨客混載」促進の通達改正案を公表、パブリックコメントを経て9月1日から施行する予定です。国交省では、過疎地域(※)において、貸切バス、タクシー、トラック事業者が、旅客と貨物のそれぞれの許可を取得した場合には事業の「かけもち」を可能にし、同一の車両で人と物の輸送サービスを提供できるようにするとしています。(自交総連本部「自交労働者情報」7月27日付)
 国土交通省公表の参考資料では、タクシーが朝夕に旅客運送を行い、昼間に貨物運送をする例、トラック(ワゴン)が貨物運送をする経路の途中にある家の旅客を運送する例などがあげられ、生産性の向上、効率的な運送を促進するとしています。
 これまで「人」と「物」を運送することについて、所管行政が「二種免許」や「道路運送法」で明確に分けてきたのは、安全性をより厳格に担保するためでした。
 ところがここにきて「過疎地」や「効率的な運送」の名の下に、トラックにも旅客運送を認めるという方針転換。貨物運送の事故が高止まりを続けている現状の下、安全性など問題が生じる懸念があります。

労働強化のおそれ

 さらに、バス・タクシーが貨物も運べば運転者の労働強化になるおそれなど、さまざまな問題が内在しています。現在は過疎地に限定されていても、今後、地域を拡大していく可能性や、旅客と貨物運送の垣根をなくす規制緩和が無限に拡大し、交通運輸産業で働く労働者の労働者性がなくなる懸念もあり、注視しなければなりません。
 ※過疎地域=過疎地域自立促進特別措置法(平成12年法律第15号)第2条第1項に規定する過疎地域のうち、郡に属する町もしくは村又は人口が3万人に満たない市とされています。