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交通運輸の労働条件改善求め11・8中央行動
2017/11/28

交通運輸の労働条件改善求め11・8中央行動 「白タク合法化反対」「安全なタクシーを守れ」と横断幕を掲げアピールする東京地連、交運共闘のなかま
(11月8日、東京・霞ヶ関で)

交通の自己責任化を許すな
非雇用型労働拡大ストップ



 自交総連は11月8日、交運共闘のなかまとともに東京・霞ヶ関を中心に「中央行動」を実施し、全体で約800人、自交から419人が参加。午後からは自交の代表が国土交通省・厚生労働省との交渉を行いました。

運転者の過労死なくせ
長時間労働を是正せよ


 国土交通省前で10時半から決起集会を行い、交運共闘・城議長(自交本部委員長)があいさつ。先の総選挙における市民と野党共闘の前進に触れ、「なんとしてもアベ9条改憲を阻止しよう」と強調しました。さらに交通運輸労働者の過労死問題について指摘し、「改善基準告示※の法制化や監査要員の増員で長時間労働を是正し、国民本位の交通運輸政策の前進と交運労働者の労働環境改善に全力をあげよう」と訴えました。
 さらに全労連・小田川議長が連帯あいさつ、JAL争議団、全厚生争議団の代表が不当解雇撤回の支援を訴えました。
 行動に参加したなかまは国交省に「交通運輸の安全確保、労働者の労働条件改善を求める請願書」、厚労省に「交通運輸労働者の労働条件確保に関する請願書」を提出しました。
 12時15分から、日比谷野外音楽堂で、全労連・春闘共闘の決起集会がひらかれ、3500人が結集しました。集会後、国会までデモ行進しました。
※改善基準告示=「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」。法律ではないので罰則がない。

交通行政の責任放棄

 午後からの国交省交渉で省側は、「ライドシェアについて『対応不可』としている(同省の)立場を堅持すること」との要請に対して「安心・安全が最重要」「(ライドシェアは)利用者保護の観点からも問題」と応じました。
 しかし「ジャスタビ」や「のってこ」など、二種免許保有を義務づけられていない運転者と旅客をマッチングする事業については、「道路運送法の枠外」なので「法改正や監督などは現時点で検討していない」という前回交渉時の見解を維持。「道運法による安全の担保がされていないと認識している」としながら「利用者に対し、安全が確保されたものではないという周知を徹底したい」として“交通の自己責任化”を容認する態度に終始しました。組合側は強く抗議し、必要な措置をとるよう求めました。

使用者だけが得をする

 厚労省交渉では、組合側がライドシェア事業者と運転者の関係を念頭に、「(安倍政権が推進する)『雇用によらない働き方』は、労働者を個人事業者扱いにして、労働関係法令を潜脱し、社会保険の使用者負担を免れようとするもので、使用者(仲介事業者)の利益だけを増大させ、なんら労働者の利益にならない」と指摘し、不公平な労働のあり方を推奨したり、検討したりすることをやめるよう求めました。
 省側は「まずは雇用によらない働き方をしている人の実態を把握し、法的保護についてどのような手段を講ずるべきか検討したい」として組合側の指摘に対する言及は避けました。