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厚労省2017年「賃金センサス」
2018/04/16

タクシー乱高下


 厚生労働省が2月28日に公表した「平成29年(2017年、以後西暦で表記)賃金構造基本統計調査(賃金センサス)」の調査結果から、大阪府の男性タクシー運転者の年間賃金を推計すると346万4700円となり、前回より21万6600円もの減となりました。

 賃金センサスとは、主要産業労働者の職種・性別・年齢などの属性別にみた賃金の実態を、地域・産業・企業規模別に明らかにするために、毎年6月度の月間給与額と、前年の年間賞与額を調査するものです。
 今回調査に抽出された大阪府のタクシー運転者(男)は5760人(前年は11610人)、平均年齢は60.0歳(同57.8歳)。2017年6月度給与額の平均は26万7700円で前年同月比31300円減。前年1年間に支払われた賞与の平均は25万2300円で前々年比15万9000円(月あたり13250円)増でした。

6月度給与
3万円減


 年間賃金を〔6月度給与×12+前年賞与〕で推計すると346万4700円となり、大阪府の全産業(男)平均589万6700円と較べると格差は243万2千円となっています。
 前回の年間賃金推計額からは21万6600円(月18050円)減という結果になりました。なお、2015年から16年にかけては47万6200円(月4万円弱)増えており、前出・全産業の15〜16年57600円増、16〜17年10000円増に較べて明らかに異常な乱高下を示しています。
 大阪タクシー協会が公表している輸送実績では稼働率下落が止まらず営業収入の前年同月比増が続いている中で、6月度給与が前年比3万円もの減というのも腑に落ちません。
 賃金センサスは地域協議会などタクシー適正化・活性化の議論で参考にされる重要な資料です。調査対象の抽出方法に問題はないのか検証が必要です。