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悩ましい現象 稼働率アップは日車営収減に直結
2019/03/05

総需要増えねば共倒れ


 大阪タクシーセンターの統計によると大阪地域における1月31日現在の運転者証(個人タクシーは事業者乗務証)交付数は23072人で前年同日からの1年間で583人の減。また、大阪タクシー協会が毎月公表している「輸送実績」によると大阪市域・中型車の平均日車営収は3万円台をキープしているものの昨年比では鈍化傾向を示し、反して実働率は若干持ち直しています。

 大阪地域の運転者証(事業者乗務証)交付数を5歳ごとの年齢別に見ると、前年同日比で最も減少したのが、「65歳以上70歳未満」で903人の減(6071人→5168人)でした。
 前回調査時は「75歳以上」(222人増)だけが増と言う結果でしたが、今回は「70歳以上75歳未満」(407人増)と50歳未満(22人増)も少数ですが増加に転じています。
 高齢化がいっそう進行していることが分かります。業界でいう若年層も若干ではあるものの増加傾向に転じていますが、全体では583人の減でした。また、タクシー活性化法施行前日の09年9月30日現在の交付数・33056人と比較してみると施行後9年4か月で9984人減少しています。
 稼働率は65%から67.6%と若干持ち直していますが、稼働率が上がると日車営収のプラス幅が鈍化傾向を示す相関関係が見て取れます。業界関係者から「乗務員不足」というフレーズがよく出ますが、全体の総需要が目に見えて増えない限り、日車営収の低下に直結することが読み取れます。
 大阪は24年ぶりに、運賃改定が行われることになりましたが、全国的に行われている距離短縮運賃に大阪もなります。近畿運輸局がどう判断するのかも注目しなくてはなりません。
 しかし考えあわせておかねばならないのは、運賃改定と同時期に消費増税も予定されており、乗り控えが起こることも懸念され、労働環境悪化を招く危険性を孕(はら)んでいることを念頭におく必要があります。