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許すな危険なライドシェア
2019/05/27

許すな危険なライドシェア 大津市の担当者(左3人)と意見交換する関ブロの仲間(13日)

おざなりの安全確保
被害被るのは、利用する市民


 滋賀県大津市(越直美市長)が国家戦略特区制度を活用してライドシェアを導入しようとしていることから、自交総連関西ブロック(福井勇議長)は5月13日に同市役所を訪問し、安心・安全が担保できない白タク・ライドシェアを導入しないよう申し入れました。JR京都駅烏丸口や大津駅・大津京駅・瀬田駅で、海外で発生しているライドシェアの事件・事故等を市民に告発する宣伝行動も行いました。

 ソフトバンクグループや楽天が全面解禁を迫る白タク・ライドシェアの危険性を市民に告発する運動を継続している自交総連関西ブロックの宣伝隊は5月13日午前、JR京都駅烏丸口で、市民や観光客、そしてタクシー労働者に対して、ライドシェアが導入された諸外国の事件、事故など具体的にその詳細を告発しライドシェア合法化に反対する運動への支援を呼びかけました。
 マイクを握った京都地連の森長氏は、京都の運賃改定に触れ「運賃改定の目的であった労働条件の改善は、全くと言っていいほど進んでいない、それどころか運賃改定とともに賃下げスライドを実施した事業者が数社出ています。市民に対する運賃改定の公約を守らないことは許されない行為です」と告発しました。
 つづいて、福井議長はライドシェアの危険性について「海外ライドシェア企業に対し、楽天の三木谷氏は360億円(リフト)、ソフトバンクグループの孫氏は1兆6500億円(ウーバーやディディ等)以上もの巨額の投資を行い、この日本でも出資に見合う儲けを得ようと、道路運送法で禁止している白タク・ライドシェアの全面解禁を政府に迫っています」と述べた上で、「彼らは安全性について、保険に入っているから安心だとか、レイティングシステム(相互監視)で、利用者の安全性は確保できると主張しますが、それらは諸外国での事件・事故が明らかになるなかで、まったくのデタラメであることが証明されています。中国では昨年5月と8月に相次いで若い女性がレイプされ殺されました。その事件に使われた車の登録(ディディへの)は犯人の父親名でしたが、実際には息子が使い犯行に及んでいました。レイティングシステムなどまったく機能していません」と告発しました。
 そして同議長は「あなたの妻や娘、孫がこのような被害にあってからでは遅い。日本は安心・安全なタクシーとバス、地域公共交通があります。これらをうまく活用する施策こそ求められるのであって、危険な白タク・ライドシェアを日本に導入させてはなりません。是非とも私たちの運動にご支援いただき、反対の声をご一緒にあげていただきたい」と呼びかけました。
 同様の行動を大津駅(弁士=大阪地連・吉田副委員長と京都地連・福田副委員長)、大津京駅(大阪・黒井執行委員、京都・曾野(その)氏)、瀬田駅(曾野氏、大阪・庭和田書記長)で行い、各弁士の訴えを立ち止まって聴き入る市民や激励してくれる市民もいました。

越直美大津市長の狙いは全面解禁

 同日午後、関ブロのなかまは大津市役所へ。「ライドシェアを実施した諸外国の例を見ても利用者の安心・安全が確保できないのは明白。実施計画を再考していただきたい」との申し入れに対し、市の担当者は「お考えはよく理解できるところもあるのでそれは受け止めさせていただきたい」としながらも、「深刻なドライバー不足の問題があると事業者から聞いている」「補助金をいま以上に支出していくことも難しい」「交通不便地域の移動手段確保は非常に大きな課題。特区認定を受けることができれば法律的にはクリアできる。安全性を見定めた中で、できることはやっていく」「タクシー・バスの事業者とも一定のコンセンサスをとった中で進めていく」と回答しました。
 組合側は「最終的には地域公共交通会議での多数決、それがコンセンサスと我々は思わない」「事件・事故が起きた時に誰が責任をとるのか。命を守るための規制を安直に変えろという発想は恐ろしい」「世界的に評価の高い日本のタクシーは労使の努力の集大成。つぶれたら元に戻らない」と強調し、重ねて実施計画再考を要請しました。