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前代未聞、大阪の運賃改定
2019/09/15

国交省・近畿運輸局苦しい弁明に終始「審査継続中」



 消費税が8%から10%に変わる10月1日に合わせタクシー労働者の労働条件改善を目的とした24年ぶりの運賃改定が大阪で実施される予定でしたが、関係者の思いが踏みにじられる結果になりました。
 8月31日に告示された「新公示運賃」は、前日に開催された「物価問題に関する閣僚会議」を経て、全国すべての運賃改定について、消費税増税分の転嫁のみということになりました。国交省・近畿運輸局の説明によると、閣僚会議で複数の関係省庁から「より丁寧な検討が必要」との意見があり、国交省は引き続き審査することにしたとの苦しい説明を繰り返しています。しかし、そもそも「物価問題に関する閣僚会議」にかかる「運賃改定事案」は東京都特別区と武三地区だけです。それなのになぜ今回だけ大阪も含め全国で申請されている運賃改定が同会議にかかるのか、納得できる説明は誰からもありません。
 今回の「決定」について、国土交通省は主体的な「判断」だとしていますが、同省の頭越しに決定したのであって、消費税増税による景気への「リスク」をできるだけ排除したいという官邸の意向が直接反映された「結果」です。近畿運輸局も「審査継続中」と説明するものの期日も示せない状況で、過去に遡っても聞いたこともない前代未聞の「判断」です。
 タクシーの根幹を揺るがしかねないアプリやキャッシュレス決済機等の手数料問題が差し迫る中での「運賃改定」を政府が頓挫させた責任は重大です。運賃説明会でも消費者団体代表が揃って労働条件改善や安心・安全を守るコストの捻出を目的とする運賃改定に賛成したことをも踏みにじる結果です。関係者が協議を重ね24年ぶりの運賃改定を機に「小型」「中型」の運賃格差も「普通車」1本に集約。新大阪駅乗場も統一し新たなスタートを切るはずでしたが、延期せざるを得ない事態に直面しています。