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〈変動制運賃導入問題〉自交総連本部が視覚障がい者団体と懇談
2021/04/27

「手持ちのお金で足りるか心配」
「もうタクシーに乗れなくなる」


 自交総連本部は4月14日、全日本視覚障害者協議会(全視協)と同協議会本部で懇談し、タクシーへのダイナミック・プライシング(変動運賃)導入について視覚障がい者の立場からの意見を聞きました。
(自交総連本部『自交労働者情報』4月16日付)


 懇談には、全視協の山城完治代表理事、藤田喜子総務担当理事、楠田房雄理事、自交総連の舞弓義隆副委員長、菊池和彦書記長が参加しました。
 自交総連からダイナミック・プライシング導入計画の概要を説明し、全視協の側から、「視覚障がい者はタクシーをよく利用している。乗り換えなしで目的地まで直接行けるので、便利で、頼りにしている」「しかし、運賃の負担はいまでも大きい」という状況が述べられ、それがダイナミック・プライシングで突然運賃が高くなったら、「もうタクシーに乗れなくなる」「運賃がいくらかわからなければ、手持ちのお金で足りるか心配で乗れない」「お金が足りなくなって途中で降りなければならなくなる」などの意見が出され、「現在、自治体が発行している福祉タクシー券はどうなるのか。運賃が高くなった時には、本来の額面よりちょっとしか使えなくなってしまうのではないか」などの心配も出されました。
 また、規制緩和やライドシェアとの関係についての質問が出され、「ライドシェアは、盲導犬をトランクに入れたとか、アメリカで裁判になったのを知っている」「暴行事件が多くて、女性の障がい者は怖くて乗れない」との感想が出されました。
 タクシーを重要な公共交通機関と考え、国が運賃への補助をするべきだという点では意見が一致し、「今すぐにでも障がい者の1割引分は国が負担すべきではないか」との意見もあり、鉄道駅のホームドア設置の促進なども含めて、公共交通機関を障がい者にとって安全で利用しやすいものにする必要性を確認しあいました。
 全視協では、事前に会員のみなさんから、普段タクシーを利用する際の視覚障がい者の困りごとについて意見・要望を集めてもらいました。その意見では、「乗るときに声をかけてほしい」「運賃メーターを音声対応にしてほしい」「降りるときはちょっとでも場所や車の向きが違うとわからなくなるのでわかるところまで誘導してほしい」などたくさんの要望も寄せられました。