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五輪輸送運転者の安全対策はなし IOCファミリーには至れり尽くせり
2021/06/15

小池晃参院議員(日本共産党)が菅首相を追及


 6月7日に開かれた参議院決算委員会で、小池晃参議院議員(日本共産党)は東京五輪が「新型コロナウイルスを拡大させる」として中止を迫りました。そのなかで“五輪ファミリー”(IOC役員・関係者)の輸送にタクシー運転者を動員する計画があることを指摘し、ワクチン接種やPCR検査の計画もなく24時間体制で運転業務をさせて運転者の安全が守られるのかと追及しました。丸川五輪担当相は、検査の頻度、ワクチン接種は「検討している」と答弁、菅首相も国民の命と健康を守るのが前提と繰り返すだけで、具体策は示しませんでした。小池議員は「検査・ワクチンは間に合わない」「関係する日本人を守る仕組みを検討していない」として、五輪は中止すべきだと強調しました。
 (自交総連本部『自交労働者情報』6月9日付)


 運転者の動員に関わる質問・答弁は次の通りです。

小池晃参議院議員
 来日するIOC(国際オリンピック委員会)委員など“五輪ファミリー”の送迎のために、2700台の車両を確保し、日本人運転手を動員する計画がある。業界紙によれば3月に五輪組織委員会副会長が東京ハイヤー・タクシー協会で「何が何でもやるので協力を」と求めたと報道されている。IOC理事にはトヨタが提供するレクサスやアルファードなどの車両を用意し、1チーム15台から16台の車両で、勤務時間は午前7時から午後10時までと午後10時から翌朝午前8時までだ。
 国民には夜間の外出はやめなさい、午後8時には帰りなさいと求めながら、五輪ファミリーにはなぜ夜なか中、車を提供するのか。なんで24時間走らせなければいけないのか。

丸川珠代五輪担当大臣
 走らせる前提ではなく、シフト組がそうなっているということだ。競技が海外との放送の関係で午後10時までで、延長する可能性もあるということで、余裕をもってそのようにしている。

小池議員
 夜10時までなら、そこまででいいではないか。なんで24時間体制で組むのか。なんでここまでやるのか。五輪ファミリーが対象でレクサスやアルファードを提供する。ここまで五輪は特別扱いなのかと言いたくなるではないか。
 しかも運転手の感染対策がなっていない。会話の制限、運転席と乗客席の間に間仕切りをつけるという程度だ。ワクチンの接種もPCR検査も計画が示されていない。これで運転手の安全が守られるのか。運転手は公共交通機関をつかって通勤するとされている。選手と大会関係者をバブル(泡)で包み込むというが、バブルで遮断されてないではないか。大変危険だ。

丸川五輪担当相
 運転手のみなさん、関係者も、検査の頻度とワクチンの接種は検討しているところだ。

小池議員
 運転手のワクチンの接種、いまだに計画が示されてなくて、7月10日から業務をやろうというのに、まったく間に合わないではないか。総理、こんなやり方で日本人運転手の安全が守られるか。国民の健康が大事だと言うが、これでは五輪ファミリーの健康、便利のためにやっているとしか見えない。総理、こんなことでいいのか。

菅義偉内閣総理大臣
 外国の関係者について徹底した対策を行うと報告を受けている。入国前の検査、入国後にも連続3日間、毎日検査をすると報告を受けている。

小池議員
 毎日検査するのは選手だけだ。五輪ファミリーやメディア関係者は週1回しか検査しないで、できるだけ接触しないようにすると言っている。こういう形で30万人くらいの日本人が五輪の業務に関わるといわれるが、そういう人たちをまったく守る仕組みがないではないか、ワクチンも検査も今から検討するという。バブルに大穴が開いている。それこそ泡と消えるのではないか。非常に大きなリスクがある。オリンピックは中止すべきだ。