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2008年06月の記事
時給731円では生活できない
2008/06/16
「最低賃金アップで景気の底支えを!」と訴えるビラを配るなかま(6月5日)
最賃額大幅引き上げ大阪労働局に求める
最低賃金の大幅引き上げや全国・全産業一律の最賃制度の実現をめざす大阪労連(植田保二議長)・大阪春闘共闘は6月5日、今年度の最低賃金額の審議が夏に向けて本格化するのを前に、大阪労働局周辺での宣伝や座り込み、労働局交渉などを一連の行動として取り組みました。全体で80人が参加し、大阪地連のなかまも奮闘しました。
昨年、大阪府の最低賃金は貧困・格差の解消を求める世論や運動を背景に、例年より大幅の19円が増額されました。
そして国会では、最低賃金法が40年ぶりに改正され、「労働者が健康で文化的な最低限度の生活を営むことができるよう、生活保護に係る施策との整合性に配慮する」との条文が盛り込まれました。今年7月から施行されます。
しかし現行の最賃額731円では、仮に年間2000時間働いても146万円にしかなりません。また、日本の貧困ラインとされる238万円を稼ぐためには、過労死ライン(3000時間)を上回る3255時間以上働かなくてはなりません。
大阪労連が試算した必要生計費(強いストレスを感じない程度の生活費)は、単身者で税込み時間額1237円。現行の最賃額に500円以上の上積みが必要です。
“最賃額引き上げで倒産増える”→実は使用者側委員の大ウソ
大阪労働局との交渉で組合側は「最低賃金引き上げを求める署名」(第1次分、245団体・13856筆)を提出し、「大阪府最賃を時間額1400円以上に引き上げること」「全国全産業一律の新しい最賃制を確立し、当面、時間額1000円以上とすること」などを要請。大阪労連が地方最賃審議会委員の人選から排除されていることについては「不透明・不公正で非民主的。癒着はやめるべきだ」と厳しく抗議しました。
局側は「審議会に要請を伝える」「審議に関わる事項なので、局は主体的に答えられない」といった空虚な回答を連発。改正最賃法に盛り込まれた「生活保護との整合性」についても「生活保護基準と最賃を比較するには、いろいろな要素があるので審議会の議論に委ねられる」と、法改正前から変わらない回答で、組合側は強く反発しました。
また、組合側が「審議会の使用者側委員は、倒産企業が増えることを理由に最賃引き上げを阻んできた」として「昨年の最賃19円引き上げが原因で倒産した企業」の有無を質すと、局側は「使用者から、そのような情報はない」と答え、使用者側委員の欺瞞が明らかになりました。
交渉後に開かれた集会で大阪労連の服部副議長は、「大阪で倒産が深刻なのは、投機マネーによる原油価格や原材料費の高騰が原因だ。大企業はボロ儲けしている。賃金を底上げすることで地域経済を活性化させるほうが明るい社会に直結する」と力説しました。