HOME  <  ハンドルおおさか

ハンドルおおさか

ハイヤー・タクシー・観光バス労働者の新聞

過去のトピックスのトップへ

詳細記事

東日本大震災・福島第一原発事故から7年
2018/04/05

東日本大震災・福島第一原発事故から7年 原発事故被害者の苦悩を語る伊東達也氏

引き裂かれる被害者
対立乗り越え支援を


 東日本大震災・福島第一原発事故から丸7年となる前日の3月10日、「なくせ原発!再稼働はんたい!3.10おおさか大集会2018」(主催=原発ゼロの会・大阪)が大阪市中央区で開かれ、原発問題住民運動全国連絡センターの伊東達也筆頭代表委員が記念講演を行いました。

 伊東氏が講演で紹介した最新のデータによると、事故時18歳未満者への甲状腺検診で、がんが発見されて手術をした人は160人、がんの疑いがある人は36人。伊東氏は「がんがなぜ発生しているのかという解釈をめぐって、専門家の間でも意見が対立している」「住民が巻き込まれて感情的な対立になるのも私は目撃してきた」「事故直後から小さな子どもを抱えた親がどんなに苦しんだか。子どもの命を、健康を守りたい、そこから発しているのに、自分の夫にさえそれが届かないという問題がいっぱい出てきました。それをお互いに通そうとすれば離婚しか解決方法はなくなってしまいます」「お願いだからもうこれ以上対立しないでくれと、何よりも福島県民が対立するのは私は拒(こば)みたい」と声を振り絞るように語りました。
 さらに農作物の安全性の問題についても、子どもを抱える若い世代と、コミュニティを大事にしたい高齢者との間で激しい対立があるといい、こんな話を紹介しました。「娘さんがなんとしても爺ちゃんを説得したくて、最後に“爺ちゃんは、孫がかわいくなかったんだ”と、こう言っちゃったんですね。爺ちゃんは激怒するわね。二度と来るなと」。
 伊東氏は「どちらが正しいのかということは不可能。それが率直な気持ち」「情報公開と公正な議論が求められている」と強調。「私の願い」として、がんの解釈をめぐる対立を乗り越えて「健康診断を受けたい希望者には、生涯どこでもいつでも無料で対応できる仕組みづくり、こういうもので皆さん一致できませんか」と訴えました。