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原水爆禁止2018年世界大会‐広島
2018/08/27

原水爆禁止2018年世界大会‐広島 5千人が参加した開会総会(8月4日、広島グリーンアリーナで)

共闘の中にこそ未来がある
核兵器禁止条約の早期発効を


 核兵器のない平和で公正な世界を求めて「原水爆禁止2018年世界大会‐広島」(原水爆禁止日本協議会=原水協など実行委員会主催)が8月4〜6日に広島市を中心に開かれ、開会総会には5千人、閉会総会には6千人が全国から集結。「市民と野党の共同の力で、安倍政権を退陣へと追い込み、被爆国にふさわしい政府をつくりだしましょう」などとする決議「広島からのよびかけ」を採択。自交総連大阪地連からも9人が参加し、被爆の実相の学習や岩国米軍基地調査行動などにも取り組みました。

 初日の開会総会で主催者報告を行なった冨田宏治・国際会議宣言起草委員長(関西学院大学教授)は、「73年前にアメリカが人類に対して初めて使用した核兵器は、広島と長崎の地にまさに人間として死ぬことも、人間らしく生きることも許さない、この世の地獄をもたらした。生き延びた人々には晩発性の放射線障害が襲いかかった」「非人道性の極みともいうべき核兵器の使用は、いかなる理由によっても決して二度と繰り返されてはならない」「人類の生存にとって脅威である核兵器を一刻も早く、完全に廃絶するために行動することをいま改めて力強く世界に呼びかけたい」と述べました。
 連帯あいさつを行なった、「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」の福山真劫(しんごう)共同代表(原水爆禁止日本国民会議=原水禁・元事務局長)は、「総がかり行動」について「日本の平和・民主主義運動の最大の弱点であった分裂状態を乗り越え、野党共闘の一翼を担い、現在に至っている」と紹介。「共闘は、未来に責任を持とうとするすべての心からの願いでもある」として「安倍自公政権の暴走を止め、平和・民主主義の時代をつくりだすためには、すべての市民・団体・野党が連携、連帯してたたかう必要がある」「共闘の中にこそ私たちの未来がある。今回の原水協大会はさらなる発展への大きな第一歩になると確信している。未来のために共にがんばろう」と呼びかけると参加者は大きな拍手で応えました。

政治を変えなければ

 国内外の平和運動の取り組みが紹介される中で、茨城県厚生連(JA系の公的医療機関)労働組合の代表は、「国の医療政策が医療現場の労働条件に大きく影響する。改憲を掲げる安倍政権下で増えたものといえば軍事費。その一方で社会保障費は削減され続けている」「自分たちの労働条件だけにとどまっていては足もとをすくわれる」との思いから平和運動に取り組んでいると語り、「組合の中には残念ながら、平和や憲法の問題は“政治的”と敬遠する声もある。しかし政治に関わらずに生きている人は誰一人いない」「地域医療を守ることも、平和を守ることも基本は同じ、“命を守る”。そんな思いで私たちは学びを力に活動を拡げていく」と決意表明しました。

人の命を無惨に奪う

 最終日の閉会総会で被爆証言を行なった山田玲子さん(東京都原爆被害者協議会副会長)は、「私の町は燃えなかったので、市の中心部で被爆して火傷した人たちがたくさん逃げてきた。およそ人の姿ではなかった。延々と重なりあって、そのまま助けてもらえず、家族に会えないまま亡くなっていった。その人たちは学校の校庭でゴミのように集められ、名前を確かめることもなく燃やされていった。広島・長崎の原爆死没者の42%は氏名不詳といわれている」「核兵器は熱線、爆風、放射線によって大量無差別に人の命を無惨に奪ってしまう。私たち被爆者は身体に不安を抱え、その日のことが心に残り、悲しみ、苦しみを抱いたまま」と切々と語りました。
 続いて登壇した箕牧智之さん(日本被爆者団体協議会代表理事)は、「被爆者の平均年齢は82歳を超えた。核兵器の廃絶を見届けることなく人生を終えることはしたくない。若い人たちに核兵器の怖さを知っていただき、核なき世界に向けた活動をお願いしたい」「核兵器禁止条約は制定されたが、核の傘に依存する日本政府に核兵器廃絶について頼れないことが一番残念」と訴えました。