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本流逆流(4月15日付コラムより)
2020/04/16

 ついに日本も緊急事態宣言が発せられるに至ったが、テレワークとは無縁である大半の労働者は食うために今日も働きに出る。その中には無症状感染者も多く含まれているであろう。これで感染拡大が止まるわけがない。
 PCR検査は徐々に増えてはいるが海外との差は歴然としている。五輪中止を回避するための隠蔽などと陰謀論も囁かれたが、どうやら小泉構造改革以降の医療破壊、維新府市政による行財政改革で、医療現場に検査する余力がないというのが真相のようだ。橋下徹氏が「僕が今更言うのもおかしいところですが、大阪府知事時代、大阪市長時代に徹底的な改革を断行し、有事の今、現場を疲弊させているところがある」とツイートし、炎上している。
 すでにオーバーシュートに陥った国々では損失補填、生活保障込みでロックアウトに踏み切っている。“日本でも強権発動すべきだが憲法が障壁になっている”“緊急事態条項を新設すべき”などという改憲論が日ごとに強まっているが、損失補填や生活保障さえしっかり行えば強権発動せずともみんな引きこもるだろうに。このままでは感染する前に飢えて死ぬ。
 安倍首相は4月7日の会見でイタリア人記者から「対策が失敗に終わったらどう責任をとるつもりか」と問われると「責任をとればいいというものでもない」と答えた。いままで事あるごとに「すべての責任は私にある」といいながら、一度も責任をとったことのない安倍氏ならではの発言である。
 冒頭発言では東日本大震災にも触れていたが、福島第1原発の津波防護不作為の責任はいつになったらとるのか。公文書改ざん、財務局職員の自死を引き起こした責任は。ISに囚われたジャーナリストを見殺しにした責任は。まともな首相なら死なずにすんだ人々が、この男のせいで何人死んだ。