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「森友」「加計」「桜」解明されぬまま安倍首相が辞任表明
2020/09/09

疑惑に幕引き許さない


 安倍晋三首相は8月28日、記者会見で持病を理由に辞意を表明。“お友達”への利益誘導など国家私物化、公文書改ざん等々の説明責任を果たさないまま幕引きを図ろうとする安倍首相に「お疲れ様」などとねぎらうのは時期尚早というものです。

 「政権を維持するのは本当に大変なことだ、安倍総理には心から『お疲れ様でした』と申し上げたい」(竹中平蔵氏のツイート、8月29日)
 「(安倍首相の辞任会見で)冒頭『お疲れ様でした』と1人の記者しか言わないんだけど」「『お疲れ様』くらい言えないものなのか」(橋下徹氏、28日のテレビ番組で)
 辞任会見以降、安倍政権の7年8か月間に対する批判をこのように封じるような声がテレビでもネットでも幅を利かせていますが、弁護士・堀(ほり)新(しん)氏はツイッターでこう皮肉ります。「『賛否や評価はともかく、今は安倍さんにお疲れ様というべきだ』と言っている人たちは、鳩山・菅・野田内閣が終わった時には何と言っていたのだろうか」(8月28日)
 森友学園に関する財務省の決裁文書の改ざんに関与させられ、自殺した近畿財務局職員・赤木俊夫さんの妻・雅子さんは、「次に総理大臣になる方は、夫がなぜ自死に追い込まれたのかについて、有識者によって構成される第三者委員会を立ち上げ、公正中立な調査を実施していただきたい」とのコメントを公表しています。
 森友学園事件では安倍昭恵氏や昭恵氏付職員だった谷査恵子氏の証人喚問も行われていません。桜を見る会では安倍首相の公職選挙法違反、政治資金規制法違反が疑われているにも関わらず、政府は事実確認に必要な公文書を短期間で廃棄。安倍氏は疑惑を口で否定するのみです。
 「永続敗戦論」などの著書で知られる政治学者・白井聡氏は朝日新聞社の言論サイト「論座」に「安倍政権の7年余りとは、日本史上の汚点である」と題する論考を寄稿。「後継者が誰になろうが(仮に政権交代が起こったとしても)、安倍時代の不正の追及が正面から行なわれない限り、本質は何も変わらない。第二・第三の安倍がまたぞろ現れて、日本社会の腐敗を一層促進するだけのことになる」と強調しています。