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本流逆流(5月15日付コラムより)
2021/05/17

 米ワシントン・ポスト紙は五輪中止を勧めるコラムで、IOC(国際オリンピック委員会)のトーマス・バッハ会長を「ぼったくり男爵」と痛烈に批判。日本で同記事が紹介されると、共感する人が次々と拡散させた。
 東京五輪開催に前のめりのバッハ会長を指しての造語だが、実に的を射て年末の流行語大賞を獲得するのではないか。ネーミングがピタッとはまるとコミカルに感じるとともに、何気に興味が沸くのが人間の性(さが)だと思うが今回ばかりは笑えない。
 新型コロナウイルスの変異株が日本中で猛威を振るい、日に何十人もの人が亡くなっているにもかかわらず、東京都も、日本政府も、IOCもまったく意に介さず邁進する。
 近年、IOCはオリンピックを商業化させるとともに、耳ざわりのよい「選手ファースト」と宣う(のたま)が、内実はまったく違う。米メディア大手が払う多額の放映権料や大手スポンサー料など莫大なマネーに群がる集団。
 一方現下のコロナ禍の惨状を開催国内閣官房参与の高橋洋一氏は、「日本はこの程度の『さざ波』。これで五輪中止とかいうと笑笑」とツイッターに投稿。類は友を呼ぶと言うが、彼らの頭の中は、お花畑が広がっているのだろう。