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本流逆流(8月5日付コラムより)
2021/08/05

 金メダルラッシュに沸く東京五輪の報道がつづく、その合間にコロナ感染症の拡大が続いていることも流れるが、ついに東京は3000人の大台を突破した。
 ど素人の私でも予想していた展開だが、日本のトップ菅首相のコメントは相も変わらず危機感のない論調だ。それに触発されるように国民の行動に歯止めがかからず、「緊急事態宣言」はもはや全く意味をなしていない。
 感染が急拡大する状況の下、ワクチン接種もままならない私たちの仲間は、感染のリスクに晒されながら昼夜を問わず東京五輪の関係者らを輸送する業務についている。こうした状況下に置かれた現場労働者から、当然のように感染者が出始めている。政治、行政に振り回され何時の世も犠牲になるのは弱い立場の人。
 自交本部と東京地連が改善を求める「声明」を出しテレビでも大きく取り上げられ、国交省交渉でも抗議した。政府を忖度し紙切れ一枚でタクシーを「なんちゃってハイヤー」に変えた国交省の通達行政には開いた口が塞がらない。
 世間ずれした菅首相と目立ちたがりの吉村大阪府知事。金メダルより、ご立派な二人のリーダーによる犠牲者が増えないことを祈る日々が続く。