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ハンドルおおさか
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本流逆流(8月25日付コラムより)
2021/08/25
やんごとなき人々のメンツと利権のためだけに強行された東京五輪が閉幕し、やっぱり感染爆発した。
医療が崩壊し、入院すべき人々が自宅に放置された結果、悲惨なニュースが相次いでいる。東京都内で親子3人が全員感染し、自宅療養していた40代の母親が死亡した。母親には糖尿病の基礎疾患があったという。千葉県柏市では自宅療養中の30代妊婦が、体調の急変で救急車を呼んだものの搬送先が見つからずに自宅で早産、赤ちゃんが死亡した。
検査が足りない。病棟が足りない。緊急対策と予算措置を協議するための国会を開けと野党が求めても政府・与党が応じない。維新も開けと言わない。憲法53条は、衆参両院いずれかの総議員の4分の1以上の要求があれば「内閣は召集を決定しなければならない」としている。
積極的検査による感染者のあぶり出しや緊急病棟の建設を行えば実相が可視化され政権支持率に響く。感染抑止に成功した諸外国にならって検査無償化や補償込みのロックダウンに踏み切れば“何で最初からそうしなかったのか”となる。だから何もしない。いわゆる“謝ったら死ぬ病”である。人々が命を落とすのを横目に集団免疫ができるのを待っている。
既存株より感染しやすくワクチンの効果も落ちるとされるラムダ株が羽田空港で東京五輪関係者から検出された。検出されたのは7月20日だが厚労省は8月6日に報道機関から問い合わせがあるまで公表しなかった。五輪のために隠蔽したとしか思えない。
ワクチン未接種の基礎疾患持ちにとって、いまや外出はロシアンルーレットである。同じ国に住む者として政府・与党の良心に訴え、施策を要請する段階はとうに過ぎた。自分の命を守るために政権を倒さなければならない──いまの日本はそういう国だ。