HOME  <  ハンドルおおさか

ハンドルおおさか

ハイヤー・タクシー・観光バス労働者の新聞

過去のトピックスのトップへ

詳細記事

りんくう総合医療センター闘争が勝利和解
2021/09/06

りんくう総合医療センター闘争が勝利和解 りんくう労組への祝辞と支援組織・弁護団に謝辞を述べる川辺和宏支援共闘会議議長(19日)

「法守らぬ病院に命守れぬ!!」
たたかいながら組織を倍増


 りんくう総合医療センター(大阪府泉佐野市)の医療従事者155人が労基法に基づく未払い賃金の支払いを求めていた裁判で和解が成立(大阪地裁堺支部、5月20日)。8月19日に「勝利和解報告集会」が岸和田市内で開かれ、喜びを分かちあいました。同闘争の支援共闘会議には自交総連大阪地連も参加し、宣伝行動や裁判傍聴などに取り組んできました。

 りんくう総合医療センターは泉佐野市が設置主体となって2011年4月に設立。非公務員型の地方独立行政法人として市立泉佐野病院から移管。
 17年4月、経営悪化を理由に一方的な賃金カットを強行してきた病院側に対し、りんくう総合医療センター労組(常玄大輔委員長)は撤回を求めて労使交渉を重ねながら、労働基準監督署にも訴えて解決をめざしてきました。
 さらに組合側が就業規則を調べる中で未払い賃金が判明。病院側は割増賃金の一部を支払ったものの、残りについては支払いを認めず、「未払いはない」という不当な態度を示したことから組合側は18年9月、提訴に踏み切りました。
 3か月後の第2次提訴を経て155人が原告となり、組合員数は賃金カットから第2次提訴までの間に103人→220人に倍増しました。

コロナ考慮し和解選択

 裁判所は20年12月、原告側の主張をおおむね踏まえた内容の和解案を示しました。りんくう労組は、労基法違反を重ねた病院を断罪する司法判断が何よりも必要との立場から、和解での解決には慎重な姿勢を取っていました。しかしコロナ禍の中で、同病院が泉州地域の救急救命センターとして、また特定感染症指定医療機関としての役割を果たすことが喫緊の課題となっていることから、職員が安心・安全な職場環境のもとで働き、一丸となって感染拡大防止と治療体制を確保することが重要との判断に至り、和解を選択しました。
 「勝利報告集会」では、りんくう労組・常玄委員長がオンラインで謝辞を述べるとともに、「法を守らない病院に未来はない」「争議は終わるけれど労使関係はこれからも続く」と決意を表明しました。