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日本国内どこでも1500円の最低賃金が必要
2022/02/25

日本国内どこでも1500円の最低賃金が必要 大阪春闘共闘・大阪労連のビラより抜粋

都道府県の差はない


 大阪労連(菅(かん)義人議長)は2月4日に記者会見を行い、「大阪府必要生計費試算調査」の結果について報告。「大阪市内で若者がふつうに一人暮らしをするためには月額24万円が必要」として、「最低賃金は全国一律で1500円以上に引き上げなければならない」と訴えました。

 現在の大阪の法定最低賃金は時給992円。この金額では、フルタイムで働いたとしても月額16万円程度で年収200万円にも届かず、ワーキングプア状態です。
 大阪労連は、“労働者が大阪でふつうに暮らすために必要な費用”を科学的データにもとづいて明らかにするために、必要生計費試算調査に取り組んできました。
 具体的には2021年の2〜8月、主に大阪労連に加盟する各単産の労働者を対象に、生活のパターンを調べる「生活実態調査」、さらに持ち物をどれくらい所有しているのかを調べる「持ち物財調査」を実施し、それらの結果をもとに、ふつうの暮らしに必要な費用を一つひとつ積み上げて全体の「必要生計費」を算定。調査には、約9500人が回答(回収率約19.3%)しています。

若年単身者24万円必要

 その中から大阪府内に住んでいるか、働いている一人暮らしの若者(10〜30代)634人分のデータを分析した結果、大阪市内で若者がふつうに一人暮らしをするためには、男性=月額24万4951円、女性=月額24万2110円(ともに税・社会保険料込み)が必要と算定されました。これは年額に換算すると、約300万円となります。
 ちなみに、東京都(北区)でも同様の調査結果が公表されていますが、男性=月額24万9642円、女性=月額24万6362円でした。
 試算の月額を賃金収入で得ようとすると、時給換算で男性=1409円、女性=1393円(中央最低賃金審議会で用いる労働時間=月1738時間で除した場合)になります。ただしこれはお盆もお正月もGWもない、非現実的な働き方です。
 ワーク・ライフ・バランスに配慮した労働時間で換算(月150労働時間)してみると、男性で1633円、女性で1614円となります。これまでに各都道府県労連が行なってきた調査の結果と大きな差はありません。つまり、最低賃金は全国一律で1500円以上に引き上げなければならないという結論となります。

最賃も払わぬタク業界

 翻(ひるがえ)って私たちが働くタクシー業界では、992円の最低賃金さえまともに払わない事業者が少なくないことが、大阪地連への労働相談で明らかになっています。感染リスクが伴うなか働かせるだけ働かせ、まともな賃金も払わない傾向が強まっている実態が、2年で2千人を超える業界離職につながっています。