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電動キックボードが免許不要に
2022/05/09

講習は「努力義務」危険招く規制緩和
自交本部が警察庁に懸念伝える



 自交総連本部は4月14日、東京・参議院議員会館内で、武田良介参院議員(日本共産党)の紹介で、電動キックボートの免許なしでの走行を認める道路交通法改正案について警察庁の担当者からレクチャーを受け、安全面での懸念を伝えました。
 改正案では、電動キックボードのうち最高速度20キロ以下のものを「特定小型原動機付自転車」として自転車と同じ交通ルールを適用し、運転免許必要なし(ただし16歳未満の運転は禁止)、ヘルメット着用は努力義務、原則車道走行、時速6キロ以下に制限できる装置に切り替えれば歩道通行も認めるとしています。
 同案は参議院先議で審議が行われ、4月13日の参議院本会議で日本共産党以外の各党の賛成多数で可決、19日の衆議院本会議で可決・成立しています。

警察庁の説明(要旨)

 ○増えてきた電動キックボートにどのように交通ルールを守らせるのかを考えた。電動キックボードは速度が出ない、車体が小さいなど原付とは異なる特性があるので、規制を自転車の方に寄せる方がより安全だと考え、自転車と同じく免許不要にした。原付の規制を緩和したとは思っていない。
○最高速度20キロ/6キロの切り替えは、いったん停車しないと切り替えられないものとし、識別できる表示をする。
○車体にはすべてナンバープレートを付け、自賠責保険を義務とする。
○16歳以上かどうかを識別する際、身分証明証がなければ家族に問い合わせる。
○販売業者やシェア事業者に運転者への講習等を行うよう努力義務を課す。シェアの登録時に講習等を受けてもらう。
○周りからよく見えるよう視認性の向上のための保安基準を考えている。
 自交総連からは、対人・対車の交通事故多発の危険がある、講習は努力義務で実効性がない、法律を守らない走行がたくさん出てくるのではないか、有効な取り締まりができるとは思えないなどの懸念を伝え、出発点で免許不要としてしまった規制緩和に問題があると指摘しました。
 (自交総連本部『自交労働者情報』4月15日付)