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8時間働けば人間らしく暮らせる職場と社会めざして─第93回大阪メーデー
2022/05/17
横断幕を手に記念撮影する大阪地連のなかま。厚労省に向け「『過労死ノー』8時間眠れる規制つくれ」、国交省に向け「『ぼったくり運賃』を制度化するな」とアピール(5月1日)
世界の労働者と連帯し、貧困と格差の解消、戦争のない平和な世界へ
いのちと暮らし守れ
「働くものの団結で生活と権利を守り、平和と民主主義、中立の日本をめざそう」をメインスローガンに第93回大阪メーデー集会が5月1日、3年ぶりに扇町公園(大阪市北区)で開かれました。感染拡大防止のため参加は組織代表者に限定されましたが雨天にかかわらず1200人が参加。府内12か所で地域メーデー集会が開催されました。
平和憲法を活かせ
長時間過密労働なくせ
実行委員長あいさつを行なった大阪労連・菅(かん)義人議長は「ロシア政府によるウクライナへの侵略戦争は、命の大切さとともに、抑止力に頼らない国際世論の構築の必要性と、日本の平和憲法の価値を明確に示している」「日本ではこの惨劇に便乗し、敵基地攻撃能力の保有、核共有や非核三原則見直し、軍事費のGDP2%論など、改憲勢力の策動が強まっている」と述べ、「“改憲ではなく憲法を活かせ”、この声をさらに強く大きく拡げていくことが求められている」と強調しました。
また、日本の労働者の賃金低下と格差拡大、物価高騰による生活悪化について、「経済はそもそも誰のためのものなのか、という根本的な問いを私たちに突きつけている。大企業の内部留保は466兆円、大阪でも44兆円に達している」と指摘。
さらに「長時間過密労働や、“柔軟な働き方”の名に隠された労働の規制緩和、労働者保護法制の改悪、雇用の自己責任化は、働くことの意味、何のために働くのかを問い返すものになってきている」と述べ、「いま必要なのは消費税の5%減税をはじめ、インボイス制度導入の中止、内部留保課税を含む不公正税制の是正、同一労働同一賃金や、全国一律最賃1500円など、格差是正とジェンダー平等の実現、長時間過密労働の解消だ」と論じました。
維新のコロナ失政糾弾
政党代表あいさつを行なった日本共産党・辰巳孝太郎前参院議員は、大阪のコロナ死者数が全国最悪となっていることについて「これには要因がある。維新政治・吉村府政が社会的検査を昨年11月末でいったん止め、この2年間で400床も急性期病床を削減し、保健所体制も弱めてきた」と指摘。「まさに維新政治による人災だと言わなければならない。吉村知事と松井大阪市長はこの失政について、まず府民に謝罪をするべき」と厳しく糾弾。「政治は命に直結する。命を守る政治への転換を7月の参院選で実現させてほしい」と訴えました。
命を大切にする社会に
荒田功・カジノに反対する大阪連絡会事務局次長、寺田将士・福祉保育労書記長が決意表明。
寺田氏は「賃上げで長く働き続けられる職場に、そして誰もが笑顔で利用できる福祉にしたい。社会福祉や社会保障制度の相次ぐ改悪、補助金カットなどは、利用者への支援、国民の暮らしを直撃し、国民の命を軽んじるような世の中にもつながっている」「いまこそ実効性ある社会福祉制度、そして人間らしく生き、命が大切にされる社会保障制度が必要」と訴えるとともに、「私たちは、利益優先の世の中、命を軽んじる世の中ではなく、一人ひとりが大切にされる世の中へ転換させていきたい」と力を込めました。