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〈貸切バス〉国交省がインバウンド事業者を集中監査
2016/01/05

〈貸切バス〉国交省がインバウンド事業者を集中監査 国交省に法違反の摘発を要請する自交本部(左、昨年7月)

入口規制の強化必要


 国土交通省は、主に外国人観光客を輸送しているバス会社(インバウンド貸切バス事業者)に対して昨年12月10日〜今年2月10日までの間、街頭監査を含む集中監査を実施し、監査結果については公表するとしています。

公示運賃が形骸化


 円安、査証(ビザ)の発効要件緩和、航空路線拡大などでインバウンド旅行者の訪日が増え、新規バス事業者も急増しています。
 昨年4月には、静岡県浜松市で中国人観光客をのせた大型バスが信号待ちをしていた大型バスに追突(中国人観光ツアー)、合計28人の重軽傷者を出す重大事故が発生しました。
 インバウンド貸切バスの業界では、運転者の日雇い、運行記録義務違反や乗務員台帳記録義務違反などで多くの事業者が摘発されています。報道によると昨年11月、関東の事業者が公示運賃違反(低運賃)で90日の車両停止処分を受けました。
 この事業者はラウンドオペレーター(インバウンド旅行を斡旋(あっせん)するブローカー)から安いバス運賃で受注していました。2014年4月に新公示運賃が施行され、1年間の猶予期間を経て昨年4月に完全実施されましたが形骸化しています。
 自交総連は昨年7月、国交省に対して「改善基準告示」違反を行なっているインバウンド貸切バス会社の実名を挙げて摘発するよう申し入れました。あわせて公示運賃違反が当たり前のように行われている現状を伝えましたが、その後も摘発は行われませんでした。

監査官が足りない

 今回の監査の重点項目は、@運転者の乗務時間など過労運転の防止に関する状況、A適正運賃・料金収受に関する状況、B点呼の実施及び運行指示に関する状況。ある監査官はメディアの取材に対して「パンドラの箱を開けるようなもの」と語っていました。
 国交省がようやく新公示運賃を遵守させるために動き始めた形ですが、バス事業者が運賃の一部を旅行業者へ斡旋(あっせん)手数料として返還し、バス料金の実質値下げを行なっている事例もあります。
 バス・タクシー・トラックを監査する国交省の監査要員は全国で約350人と少ないうえに専任ではありません。すべての事業者を監査して法律を守らせることは物理的に困難です。入り口規制を強化しない限り、重大事故は後を絶ちません。