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自交総連バス部会が国土交通省に要請
2019/04/15
貸切バスの安心・安全を守るための規制強化を要請する自交バス部会のなかま(こちら向き、4月5日)
悪質事業者の参入を防げ
不当な手数料収受許すな
自交総連(全国)バス部会(石垣敦部会長)は4月5日、国土交通省交渉に取り組み、貸切バスの規制緩和を根本から見直して参入規制を強化することや、大幅な手数料(キックバック)収受など不当な取引で公示運賃を遵守しない旅行業者・バス事業者を厳重に処分することなどを要請しました。
自交総連からの要請事項は、「悪質事業者の参入を未然に防ぐ規制強化」や、「不当なキックバック収受を許さず公示運賃を遵守させること」のほか、「運転者人件費を適正に反映させて公示運賃を算定すること」、「悪質事業者を一掃するための監査要員増員」、「安全確保のための保安要員(バスガイド・車掌)を乗務させるよう運輸規則を改正すること」など7項目(左に別掲)。
省側は参入規制強化について、「許可取り消しを受けた事業者の欠格期間を延ばし、参入要件を厳格化している」「事業者に安全投資計画の提出を義務づけ、コストをまかなえず継続的に安全を確保できない者の参入は認めないこととした」と説明。「許可の更新制により平成29年度に期限を迎えた810者のうち107者が退出した」と明かし、「安全を確保する能力のない者が退出するよう、しっかりやりたい」と話しました。
手数料が人件費に影響
安全に害あれば法違反
手数料キックバックの問題について省側は「企業間の自由な取引となる手数料自体は違法ではない」とした上で「手数料で安全が阻害されている場合は道路運送法違反であり、確認できればバス事業者を処分、旅行会社に業務改善命令を出す」と回答。
組合側が「運賃の原価構成を考えると、20〜30%の手数料を払ったら人件費や安全コストを削ることになるのは明らか。そういうものをすぐに取り締まれないのか」と質すと、省側は「手数料の額は独占禁止法の問題もあり“何%はダメ”と決められない」としながらも「安全コストをまかなっているか調査したうえで、安全コストに害があるものは処分する。手数料を引いた運賃が下限を下回っていたらすべて調べる」との方針を示しました。
非常時の安全確保
ワンマンでは限界
組合側は、安全確保のための保安要員乗務の必要性について、「ワンマン運行では対応できない運転者の急病や事故、車両火災が発生している」「以前は常識だったバスガイドの同乗が、もはや絶滅危惧種」「2人掛けの座席に児童3人、計90人も乗せた事例が実際にある。火災が起きたら消火、避難誘導、二次事故防止など、とても運転者一人ではできない」と訴えました。省側は「おっしゃるような問題点があり、意見があったということは省内に伝える」と応じました。
国交省交渉終了後、自交バス部会は場所を変えて第5回総会を開き、宮城・東京・大阪・高知・福岡から12人が参加。各地の運動を報告し、交流しました。「低賃金のため新しく人が入ってこないので、在職者が12連勤など過重労働になっている」などの報告があり、バス乗務員へのビラ配布など宣伝を強化することを確認しました。