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「自動車運転者の労働時間」改善基準告示見直し
2021/11/05
休息期間「原則11時間」の攻防
過労死基準検討会報告を考慮、使用者側は難色
厚生労働省の労働政策審議会で、「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(改善基準告示)の見直しについて議論する作業部会の第3回会合が開催され、自交総連本部の菊池書記長が傍聴しました。(自交本部『自交労働者情報』10月12日付)
10月8日午前に「バス作業部会」が、午後に「ハイヤー・タクシー作業部会」が開かれ、両部会とも事務局(厚労省)が「見直しの方向性」(たたき台)を提案しました。
事務局は、休息期間(=勤務と次の勤務の間、睡眠時間を含む労働者の生活時間)について、バス、タクシーとも「原則11時間」(現行は8時間)とし、その根拠として過労死基準の検討会報告などを提示。睡眠時間の確保が必要だとしました。
「休息期間11時間」は自交総連が重点要求として、審議でも労働側がつよく求めていたもので、この点は大きな前進といえます。経営者側は難色を示しました。
休息期間以外は、ほぼ現行と同じ基準が示され、あまり時間短縮になっていません。タクシーでは、日勤の1か月の拘束時間を299から288時間に短縮、車庫待ち特例の延長時間を縮めたほかは、ほぼ現行と同じです。バスでは、拘束時間に「年3300時間を超えない範囲で」という規定を入れたうえで、ほぼ現行と同じです。この点では、かなり不十分といえます。
事務局から提示された各項目の「見直しの方向性」は、この日の論議では結論を出さず、年度末のとりまとめに向け労使双方から意見を出しあうこととされました。