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「技量不足」の事故多発 バス部会事務局長 山本 雅広
2023/01/05
明けましておめでとうございます。
世界で猛威を振るう新型コロナウイルスの影響を受け、観光バス業界はインバウンドの完全停止もあり本当に疲弊しています。
しかし、昨年末から日本もコロナ対策を緩める動きが加速し、出入国がしやすい状況になってきました。まだ、中国が完全に規制を緩めていないので中国からの観光客は来日していませんが、欧米や東南アジア、台湾などから続々と訪れています。こうしたこともあり徐々にインバウンドも動き始めてはいますが、まだまだコロナ前にはほど遠いものがあります。
一方、気がかりは昨年の富士山ツアー中の法面に乗り上げ横転した死亡事故や商業施設に突っ込んだ阪神バスの事故等、観光、路線を問わず事故が続発していることです。
こうした傾向は、観光バスの規制緩和以降、つづいてきましたが、ここまで大型バスを運転する技量不足が見て取れる事故の増大は危機的で、インバウンド需要が本格的に戻ったときに、集められるドライバーの技量とともに、「安心・安全」を守ることができるのか懸念されます。
重大事故が起こると、国土交通省が監査に入り「違反があった」となりますが、そもそも規制緩和され、ガタガタになったバス業界に新型コロナが追い打ちをかけています。インバウンドが止まっていたから重大事故が少なかっただけで、国土交通省は真剣に考えて手を打つ必要があります。これまでのように小手先だけでは限界で、命を守る規制を抜本的に強化すべきです。
また、厚生労働省内で行われてきた改善基準「告示」の改正にも期待しましたが、早々に諦めに変わり、役に立ちそうにない「告示」に今後苦しめられることになります。早急な抜本改正に向け奮闘して参ります。