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タクシー規制強化法案  国会論戦が本格化
2009/06/05

タクシー規制強化法案  国会論戦が本格化 実効性ある減車措置へ待ったなし(イメージ)

野党4党、共同で道路運送法改正案を提出


 国会では内閣提出の「特定地域タクシー事業適正化・活性化特別措置法案(略称)」が4月に審議入りしたのに続き、5月12日には野党4党(日本共産党・民主党・社会民主党・国民新党)が共同で道路運送法改正案と内閣提出法案に対する修正案を提出。翌13日からは内閣案・野党案ともに衆議院国土交通委員会で本格的な論戦が始まりました。

国交省・公取が調整して円滑に減車


 昨年の交通政策審議会・タクシー問題ワーキンググループ(有識者、消費者団体、事業者団体、労組の代表などで構成。自交本部の今村書記長も委員として参加)では計13回にわたる議論を通じて、供給過剰と過度の運賃競争が、“運転者の労働条件悪化”や“違法・不適切な事業運営の横行”などタクシー事業をめぐる諸問題の原因になっていることが共通認識となりました。

 そして、同年12月の交政審答申には、『特定地域指定制度を設けて参入・増車を抑制し、協調的な減車のためのスキーム(仕組み)を導入すること』、『運賃問題については下限割れ運賃の審査ガイドラインをつくること』などの対策が盛り込まれ、私たちが一貫して求め続けてきた規制緩和の見直し・必要な規制の強化への方向転換が決定的になりました。

 答申を受けた国交省は『特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法案』(以下、特措法案)をまとめ、今年2月には閣議決定を経て国会に上程しました。

 5月22日の衆議院国土交通委員会。政府参考人として出席した国交省の本田自交局長は特措法案について「複数の事業者の方が協調して減車をしようという場合には、国土交通省と公正取引委員会が事前に調整をして、制度的に、減車が円滑に進むような制度」「前向きの取り組みに対しては(中略)財政的な支援をするなり、さまざまなインセンティブを今後考えてまいりたい」と答弁しました。

道運法改正で全国的に需給調整規制

 特措法案に対して野党4党は「特定地域だけに限った期限付きの対策では不十分」「(特措法案では)運賃問題に触れていない」と指摘し、規制緩和の大もとである道路運送法の改正案、特措法案を修正した法案(以下、修正案)を5月12日に提出しました。

 22日の国土交通委員会で、共同提案者として答弁に立った日本共産党の穀田恵二議員は、全国的な対策が必要である理由について、「この問題を考える場合に、政治の責任は極めて重大だと改めて実感している」として、運輸行政が需要拡大を前提にして規制緩和を推進してきたことを指摘し、「反省が極めて必要」と述べました。

 その上で、交政審答申の“地域によって若干事情がことなるものの、多くの地域では、需要が減少しているにもかかわらず、供給が増大し、問題の深刻化を招いている”との記述を紹介するとともに「新たな経済危機のもとでの需要がどうなるかという見込みを考えた場合に、まさに全国的な事態になる」と述べ、「私どもの道路運送法改正案によって新規参入及び増車は、全国的に需給の調整規制が行われる」と強調しました。