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平均年齢62.1歳、年間通じ実働70%割れ、危機的状況打開せよ
2017/04/18

未来見据えた実行を


 大阪タクシーセンターの統計によると大阪地域※における3月31日現在の運転者証(個人タクシーは事業者乗務証)交付数は2万4243人で前年同月日からの1年間で942人の減。また、大阪タクシー協会が毎月公表している「輸送実績」によると1年を通して実働率が70%を切っていることから大阪市域・中型車の平均日車営収は、3万円台で推移しています。

減休車 波乱含みの協議会


 大阪のタクシー労働者の減少が続いています。業界の労働条件改善を所期の目的とした「タクシー特措法」が09年10月に施行され、業界に自主的な減車が促されましたが、止まっている車を減らしただけで目に見えた成果が上がりませんでした。
 その後、業界の働きかけで議員立法として公正取引委員会の適用除外を可能にした「特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法等の一部を改正する法律」(改正タクシー特措法=維新の会は反対、その他の政党は賛成)が施行されたのが14年1月27日のことでした。
 法に基づく大阪市域交通圏特定地域協議会の議論では、侃々諤々(かんかんがくがく)はあったものの15年11月1日〜18年10月31日まで特定地域に指定されることになりました。
 ところが特定地域協議会で「特定地域計画」を策定し、減休車に取り組むばずでしたが、最終段階での大阪府の反対や大小のカテゴリーの過半数の確保が不安視され会議の順延が繰り返されてきました。
 「業界紙」等の報道では、当初の12%減休車の特定地域計画が8%〜12%の減休車に緩和されているとのことですが、5月8日に開催される特定地域協議会は波乱含みで、置き去りにされる労働条件改善は何時になったら進むのでしょうか。
 年間を通し実働率は70%を割り込み3割の車が車庫で放置されています。この車にも当然固定経費が約50〜60万円かかっています。こうした状況は、ほぼ全事業者に言えることですが、なぜ、事業者が生産を生まない状況を看過するのか理解できません。「人」を財産と考えず「車」を財産と見ているからでしょうが、まさしく「不良債権」を抱えているのと同じです。
 上表の大阪府Aは70歳未満がすべて減少という深刻な状況を示しています。毎年1000人近い労働者がタクシー産業から離れ、平均年齢は最新(3月31日現在)のデータで62.1歳。事業者はこの傾向を真摯に受け止め「自分の会社だけは人が来る」という幻想に見切りを付けるべきです。
 自社の稼働率を考え、法の特例でできる12%の「全休車」とプラスαの「減車」を実施し経営の立て直しや抜本的な労働条件の改善に、業界全体で取り組み人が流入する産業に変えなければなりません。
 ※大阪地域(大阪府A)=大阪タクシーセンターの管轄地域。大阪市、堺市(美原区を除く)、豊中市、泉大津市、高槻市、守口市、和泉市、箕面市、門真市、東大阪市、池田市、摂津市、八尾市、茨木市、吹田市、高石市、島本町、忠岡町。
 ※単位地域(大阪府B)=大阪府でA以外の地域。