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大阪地連第75回中央委員会 団結して巨大な敵に対峙
2018/02/27

 自交総連大阪地連が2月15日に開いた第75回中央委員会の委員長あいさつを掲載します。

福井勇委員長あいさつ

安心安全が白タク対抗策
新人が来る労働環境先決


 今春闘は、白タク合法化阻止のたたかい、タクシー労働者の雇用と権利を守るたたかい、そしてもう一つは稼働率が60%台にまで下がる中、労務倒産の危機に直面している会社から合理化を含む春闘逆提案も予測される厳しいたたかいになるのではないかと考えています。

危機感欠く事業者

 利用者の安全と私たちの産業を破壊する外敵、ライドシェアという名の白タクを合法化しようと巨大な勢力が手を変え品を変え、タクシー類似行為を広めようと様子を窺(うかが)いながら着々と準備を進め、全方向から突破の糸口を掴もうと必死になっています。
 本来なら真っ先に行動を起こすべき事業者に危機感は見られず、むしろビジネスチャンスと捉える動きもあり、「ライドシェア対抗策」と称して初乗り距離短縮などを打ち出しています。
 昨年は労使共闘で市民への訴えや、シンポジウム開催などに取り組みましたが、事業者の中には人件費や自社無線のコストと、ウーバー・リフト・滴滴(ディディ)などのアプリを天秤(てんびん)にかけて、どちらが得かを考えている事業者も少なくないと聞いています。ウーバーなどとの協業を選択した事業者がアプリの手数料などを乗務員に負担させるのは目に見えています。
 日本に白タクを入れさせない対抗策としては、安易に料金を安くしたりするのではなく、世界的には評価の高い日本のタクシーが106年培(つちか)ってきた安心・安全をより高めていくことが正道ではないでしょうか。

泣くのはいつも労働者

 大阪の料金体系を象徴する形で定着している55遠割は、労働者の大半が廃止を訴えても事業者は“みんながやめたらうちもやめる”という平行線で、市民の理解を得て改正するのは至難の業(わざ)と思われます。仮にA社が廃止に踏み切っても、最後までやめないB社との間に運賃格差が生まれ、またしても運賃競争になるのは目に見えています。そして泣くのはいつも労働者です。
 劣悪な労働条件が改善されず乗務員の高齢化だけが進行し、大阪府では年ごとに約1千人が業界を去っています。新しい人が入ってくるわけもなく稼働率低下に歯止めがかかりません。
 多くの事業者は、年中ほとんど動かない車でも財産と考え、現状のままでは希望的観測に過ぎない乗務員数回復に備えて車両数を保持しようとしますが、人が入ってくる職場・労働環境にすることが先決だと思います。
 一台当たりの年間維持費は50万〜60万円といわれますが、減車すれば必要ないはずの経費が結果として賃上げを阻む要因になっています。稼働率低下を見越していち早く減車に取り組んだ事業者と、取り組まなかった事業者とで、ここに来て明暗を分けています。
 組合として会社の経営状態を的確に判断できるように注視し、いろいろな所にアンテナを張り巡らせる必要もあります。車だけあっても乗る人がいなければそれは財産ではなく、年々膨らむ不良債権であることを認識し、適切に対応するよう組合としても助言し、実行させることが必要です。
 また、経営危機を口実に、事故を起こした乗務員に損失を全額負担させたり、ノルマで縛って有給休暇を使えないようにするなど絶対に許されないのは言うまでもありません。

一人ひとりの声聴いて

 今春闘は職場によって明暗が分かれる厳しいたたかいになるのは必至ですが、そんな時だからこそ役員の皆さんは組合員一人ひとりの声を聴き、小さな声でも拾い上げてください。そして組合の代表として結果を恐れず自信を持ってたたかってください。そして交渉が暗礁に乗り上がるような場合は大阪地連執行部や各地協の議長に相談してください。地連として解決に向けて取り組み、場合によっては団交にも参加します。
 労働条件改善なくして白タク合法化反対の運動は成功しません。私たちは巨大な外敵に対し組織をあげて団結することが大切です。各単組、職場で白タク合法化の危険性を周知徹底し、全員で活動に参加しましょう。経営者の動きが鈍くても自分たちの職場は自分たちで守ろうではありませんか。同じ職場、地域で未組織の労働者にも協力を呼びかけましょう。それが組織拡大の契機にもなります。今春闘で一つでも多くの要求実現をめざし、最後まで共にがんばりましょう。