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自家用車への謝礼の範囲を明確化する国交省通達
2018/04/25

CREWの違法性示唆


 国土交通省は3月30日、自家用車を使った運送で利用者が支払う謝礼の範囲を明確化する通達を出しました。notteco(のってこ)※1やCREW(クルー)※2など、ウェブやスマホアプリで運転者と利用者をマッチングする事業形態が現れるなかで、白タク合法化を狙う規制改革推進会議などから、〈道路運送法における許可や登録を要しない運送〉の明確化、〈収受できる謝礼の範囲〉の明確化を求められていたことに対応したものです。
 (自交総連本部「自交労働者情報」4月17日付)


 通達では、許可や登録が不要な場合を4つの類型に区分しています。
 (1)利用者からの給付が「好意に対する任意の謝礼」と認められる場合。運送行為の実施者の側から対価の支払いを求めた、事前に対価の支払いが合意されていた、などの事実がなく、あくまでも自発的に、謝礼の趣旨で金銭等が支払われた場合。
 (2)利用者からの給付が、金銭的な価値の換算が困難な財物などでなされる場合。
 (3)利用者が、特定費用(ガソリン代、道路通行料、駐車場料金)を負担する場合。
 (4)市町村が公費で負担するなど利用者は対価を負担していない場合。

 (1)についてはCREWなどが問題になりますが、「以下の場合には、自発的な謝礼の趣旨の支払とはいえず、許可又は登録を要する」とし、「仲介者が、ウェブサイト等で、謝礼の誘引文言を表示し又は謝礼の有無・金額によって利用者を評価すること等により、謝礼の支払を促す場合」「仲介者が、ウェブサイト等で、利用者に対し謝礼の決定を経由しなければガソリン代、道路通行料の決済ができない仕組みを提供する場合」を例にあげています。CREWがスマホアプリで謝礼を誘引していることは違法とも読みとれますが、CREWは営業を継続しており、アプリの手直しなどで規制を回避しようとする可能性もあります。
 (3)についてはnottecoなどが問題になりますが、利用者が負担できる費用を「特定費用」としてガソリン代、道路通行料、駐車場料金に限定し、それ以外の人件費、車両償却費、保険料等は費用には該当しないとしています。また、仲介手数料が運転者に流れることを禁止し、「名目のいかんを問わず仲介手数料の一部を運転者に支払うことにより、運転者が特定費用(ガソリン代、道路通行料及び駐車場料金)及び自発的な謝礼を超える金銭等を収受する場合は、道路運送法違反となる」としています。
 ※1 notteco=長距離移動が対象。運転者が移動の予定をアップし、同じ方向に移動したい人が利用。ガソリン代・道路通行料などの実費を運転者と利用者が折半する。サービスが浸透するまで手数料は無料としている。
 ※2 CREW=近〜中距離移動が対象。利用者が行き先を指定する。決済料金の内訳は、ガソリン代・道路通行料などの実費と、「マッチング手数料及び安心安全保証料」。それらに加えて運転者への「謝礼」の有無や金額を利用者が設定。