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辰巳参院議員がCREWの違法性追及
2018/05/07

危険なサンドボックス
白タクアプリを許すな


 日本共産党の辰已孝太郎参院議員は4月19日、参議院経済産業委員会で質問、規制のサンドボックス制度創設などを内容とする生産性向上特別措置法案の危険性を指摘、CREW(クルー)の実態についても追及しました。(自交総連本部「自交労働者情報」4月20日付、太字は政府側答弁)

 辰已議員はまず、財務省の福田事務次官のセクハラ問題で、財務省はセクハラがあった事実も認定せず、処分もしないのかと追及、本人が事実と違うと主張していると繰り返す財務省矢野官房長に対して、財務省としてセクハラ認定して、福田次官については辞職ではなく懲戒処分とするべきだとつよく求めました。
 次いで生産性向上特措法案の危険性について、要旨以下のように追及しました。

黒でも特例で白に
身体・生命を侵害


 辰已孝太郎議員「規制のサンドボックス制度は分野の限定がなく、ライドシェアでも申請が可能となっていることを経産大臣は認めている。重大な問題だ。国交省に訊くが、ライドシェアは、なぜ日本で認められないのか」
 早川治国土交通大臣官房審議官「運行管理に責任を負う主体がなくドライバーのみが責任を負う形態になっていて、安全・安心の観点から問題がある」
 辰已議員「ウーバーなどのライドシェア事業者が、規制のサンドボックス制度を用いて計画を申請する場合、主務大臣は誰になるのか」
 糟谷敏秀経済産業省経済産業政策局長「実証計画のなかで、規制法令が道路運送法ということになれば、国土交通大臣になる」
 辰已議員「法案では、実証計画に当たって規制の特例措置の整備を求めることができるとあるが、特例措置の整備がされれば、今は違法なライドシェアが合法とされてしまうということか」
 糟谷局長「特例措置の内容で、法律を変える必要がある場合は国会審議を経て法律を制定する必要がある。政令・省令を変える必要がある場合はそれぞれ改正が必要となる。変えるべき対象となる法令の内容に応じて変わってくる」
 辰已議員「法律であれ、政省令であれ、特例で変えれば、違法だったものが合法になる。とんでもないことだ。国交省、これで国民の安全と命が守れるのか」
 早川審議官「仮に自家用車のライドシェアの計画が申請された場合は、安全確保・利用者保護の観点から問題があり、きわめて慎重な検討が必要と考える」
 辰已議員「白タク事業は危険であり、再規制に踏み出しているのが世界の流れだ。それを規制のサンドボックスで、規制が及ばない環境で実証実験をさせれば国民の身体・生命の重大な侵害になる」

NYウーバー激増
労働者ズタズタに


 辰已議員「国交省は、ニューヨークでライドシェアの参入によって車両台数が急増している実態をどのように把握しているか」
 早川審議官「報道で、マンハッタン地区の2014年と15年の乗客数の比較でウーバーが404万人増え、タクシーが368万人減ったとされている」
 辰已議員「日本にライドシェアが入ってくれば、ニューヨークのように車両台数が増え、過当競争になることは明らかだ。2002年の規制緩和でタクシーの台数が増えて、運転者の労働条件が悪化し、事故も増えた。これを見直そうと2009年にタクシー活性化法ができて、13年に改正もされ、減車が行われた。ライドシェアを入れたら、同じことを繰り返すことになる。世耕経産大臣、労働者の賃金をずたずたにするのは日本の経済のためにもよくないのではないか」
 世耕弘成経済産業大臣「実際にライドシェアの申請があった場合は、主務大臣が安全性や規制法令に違反していないかチェックをして認定する。ライドシェアの会社も変わってきていて、日本ではタクシーと連携したり、過疎地で移動手段を提供することも出てきている。いずれにしても、今回のサンドボックス制度は、タクシードライバーを請負とすることで質の高い雇用を失わせるようなことを目的として実証を行うものではない」
 辰已議員「われわれとしては決して認められない。ライドシェアでは、利用者がガソリン代などに加えて謝礼を払う業態が出てきている。代表的な会社がCREWだ」

「お礼しましょう」明らかに謝礼誘引

 辰已議員「国交省は4月5日にCREWに改善の指示を出したというが、その内容は」
 早川審議官「道路運送法の許可を要しない自家用自動車の運送の態様について、謝礼の範囲を明確化する通達を3月30日に出した。これを踏まえてCREWに指示を出した」
 辰已議員「謝礼を誘引するようなアプリはダメだということだ。利用者とドライバーが相互に評価することがマッチングアプリの特徴だが、評価の内容で謝礼が影響されたりすることがあってはならないということだ。実際に、このホームページに行ってみたが、『お礼をしましょう』などの文言がみられる。先ほどの通達にそって考えれば、これはまずいのではないか」
 早川審議官「謝礼を誘引するような表現は修正するよう申し入れている」
 辰已議員「今日(4月19日)の時点でも直っていない。重大な問題だ。こういうことを許しておいたらダメだ。きちんと指導してもらいたい」
 早川審議官「改善に一定の期間は要すると思うが、CREWについては今後も改善を求めた事項の措置状況について確認して適切に対応していきたい」
 辰已議員「一定の期間がかかるではなく、直すまで事業をするなときっちり言うべきだ」