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〈大阪労連第48回評議員会・討論発言〉
2018/06/15

交通分野の自己責任化許さない
労働者の権利と安心・安全守る


自交総連大阪地連
松下末宏書記次長

 6月2日に行われた大阪労連第48回評議員会の討論に、自交総連大阪地連からは松下書記次長が参加し、次の通り発言しました。


 楽天やソフトバンクなどが合法化を狙う白タク・ライドシェアの問題が正念場を迎えています。自家用車が営利を目的に旅客運送を行うウーバーなどは私たちの運動もあって食い止められていますが、京都府京丹後市ではNPO法人による「公共交通空白地有償運送」がウーバーのアプリを使って行われています。
 スマホのアプリで利用者と運転者を仲立ちするライドシェアはすでに、中長距離移動を対象に燃料代や通行料など実費をマイカー運転者と利用者が割り勘する「のってこ」、レンタカー利用者と観光ドライバーを仲立ちする「ジャスタビ」などが事業を展開しています。これらはタクシーのような安全を担保する仕組みがないにも関わらず国土交通省は「道路運送法の枠外だ」として野放しにしています。「ジャスタビ」は事実上の運転代行でありながら運転者に二種免許を義務づけておらず、さらに東京都内では「クルー」というアプリで運転者が実費に加えて「謝礼」と称した報酬を得ており、明らかに違法行為です。
 アプリを運営するIT企業が輸送や雇用について責任を負わず、利益だけを貪るのがライドシェアです。これを許せば地域公共交通は崩壊し、庶民の移動手段はすべて自己責任になってしまいます。
 そのライドシェアを滋賀県大津市が国家戦略特区で導入しようと今年2月に国へ申請したことから、自交総連は5月に大津市で白タク合法化阻止の運動を展開。ビラを折り込んだティッシュ4000個以上を配布しました。大津市役所にも赴いてライドシェアの危険性などを説明し、再考を要請しました。自交総連は今月は日帰りで、来月は一泊二日での宣伝行動を大津市で行う予定です。東京では楽天本社への抗議行動なども行ないます。
 並行して、公共交通を破壊するライドシェア合法化阻止の一点で事業者、労働団体が組織の垣根を超え、運動を展開しています。5月23日には自交総連を含む労働8団体が集会とデモを行い、経産省・国交省・厚労省との交渉に共同で取り組みました。
 いま、いろんな分野で憲法の3大原則「国民主権」「平和主義」「基本的人権の尊重」を破壊している安倍政権ですが、このライドシェアも安倍首相は推進を公言しています。ライドシェアの運転者は「雇用によらない働き方」であり、労働法制に守られません。公共交通を破壊してIT企業を儲けさせるのと同時に、労働者から権利を引きはがすのが安倍政権や財界の狙いです。私たちは労働者の権利を守り、安心・安全なタクシーを守るために白タク合法化を必ず阻止する決意です。
(抜粋・一部省略、文責=編集部)