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〈自交総連本部・対行政交渉〉国土交通省・厚生労働省
2019/04/05

白タクも長時間労働も容認 運輸・労働行政の責任放棄


 自交総連本部は、3・7中央行動で提出した個人請願の内容について3月18日、国土交通省と交渉を行いました。また厚生労働省への要請・交渉も同日実施しました。

相乗りの安全性 国交省
「利用者の期待値低い」


 10時から行われた国土交通省交渉で組合側は、「危険な白タク・ライドシェアの合法化を認めないこと」「規制のサンドボックス制度を利用したライドシェアの実証実験が行われないように、規制所管大臣としての責任を果たすこと」などを要請。車で移動したい利用者と二種免許を持たない運転者を仲介するジャスタビやnotteco(のってこ)、CREW(クルー)などの運転者マッチング事業について、これらは「白タク行為」であり、国民の安心・安全、道路交通の安全確保の観点から禁止するよう求めました。
 また、10月に予定されているタクシー運賃改定について、その目的どおり運転者の労働条件が改善されるよう、アプリ配車やクレジットカードの手数料等を含めて原価査定し、手数料等が運転者負担となることがないようにするよう要請しました(左に別掲)。
 国交省側は白タク合法化について「利用者の安心・安全が最優先であり、極めて慎重な対応が必要と考えている」としながらも、ジャスタビについては「レンタカーの貸し出しと運転者の紹介が一体として行われないよう事業展開を注視したい」、のってこやクルーについては「運転者が受け取るのが実費や自発的な謝礼の範囲内ならば道路運送法の許可・登録を要しない」との認識を示し、禁止の求めに同意しませんでした。
 組合側「(クルーについて)人を乗せて対価を得ていれば旅客運送事業ではないか。それを規制せず、国交省は利用者の安心・安全を本当に守れると考えているのか」
 国交省「任意の謝礼であれば、運送の対価とはみなさないという認識だ」「有償における旅客運送では安心・安全は一定程度確保されているが、有償でない場合にはそういったことの期待値は低いと考えている」
 組合側「期待値が低いというのは、事故にあっても利用者の自己責任ということか」
 国交省(答えず)
 組合側「謝礼が任意か任意でないかの判断はどこで決めるのか」
 国交省「利用者に謝礼を誘引する行為が確認できれば、それは任意性がないということになる」
 組合側「確認できれば禁止するのか」
 国交省「そうした実態があるなら通報してもらいたい」


過労死防ぐ施策 厚労省
「使用者の立場も加味」


 同日14時30分から行われた厚生労働省交渉で組合側は、昨年成立した働き方改革関連法の附帯決議を受けて見直しが検討されている「自動車運転者の労働時間等の改善基準」(厚労省告示)について、公・労・使で構成される検討の場に自交総連の代表を入れるよう要請。
 また同告示を過労死防止に実効性のある内容に改正・法制化し罰則を設けること、タクシー運賃改定時に労働条件の一方的な不利益変更が行われないようにすることも求めました。
 組合側「過労死は貨物・旅客が群を抜いて高い。労働者の健康を守る行政としてどう考えているのか」
 厚労省「労働者の健康を守るのが大前提だが、経営が成り立つか使用者側の立場も加味していかなければならない。過労死の数値については我々も把握している。そうしたデータなどを踏まえて、公労使の枠組みで内容を議論する」
 組合側「4月から有休5日義務化がされるが、累進歩合制の職場で有休をとると2〜3万円も給与が下がってしまう。累進歩合の廃止を守らせる罰則制度は設けられないのか」
 厚労省「国土交通省が事業者を処分できるのは、事業許可との関係があり、厚労省としての罰則は、量刑の重さをどうするかなどを考えると難しい」