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地方都市の衰退に驚き
2019/06/17

〈寄稿〉京都地連・福田徹副委員長

 白タク・ライドシェア阻止行動も含め、この数年は京丹後、養父、大津と他市での宣伝の機会が多くなっています。
 今回は、和歌山駅から紀勢本線沿線での宣伝行動となりました。私がまず驚いたことは、駅に出入りする人の少なさです。和歌山、紀伊田辺、白浜は関西ではよく耳にする駅名です。観光客も含め、もっと人が多いと思っていましたが、あまりの人影の少なさにとても驚きました。都会に人が流れ地方が過疎化している様を、まざまざと感じさせられました。
 和歌山県のタクシー台数は法人と個人を合わせ1700台弱で、京都の5分の1、大阪の10分の1以下ほどです。やはり、駅周辺で目にするタクシーはとても少ないものでした。大阪や京都とは営業の様子がまったく違い、これでタクシードライバーが生活できるのかと思ったほどでしたが、現状では需給バランスが京都ほど酷くなくなんとか食べていける状態なのかなとも思いました。
 しかし和歌山もドライバーの高齢化が進んでいます。ドライバー不足に付け入り、白タク推進派が、今以上に勢いを増すのが目に見えます。これを防ぐには、宣伝行動も大事ですが、この情報を受け取る地域の労働組合を組織し仲間を増やして、共同で白タクの危険性を地域の住民に伝えていくことが必要です。
 労働者不足の原因は、人口の減少です。地方都市の衰退は地域の努力不足ではなく、安倍内閣が進める、大企業を優先する政策が原因ではないでしょうか。和歌山宣伝行動は、とにかく人の少ないことの驚きの連続でした。今の政治が地域社会の崩壊を進めているのです。大企業や富裕層ではなく中間所得者層を厚くする政治が、和歌山でも求められていることを痛感しました。白タク・ライドシェア問題とともに困難ではありますが格差社会を是正して、タクシードライバーの生活や社会的地位の向上につなげることが重要と考えます。