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労働者の生活守れ 大阪タクシー協会に要請〈3・12大阪総行動〉
2020/03/26

労働者の生活守れ 大阪タクシー協会に要請〈3・12大阪総行動〉 新型コロナウイルス禍の中で労働者の生活を守る手立てを大タ協に要請する大阪地連交渉団(右側)

新型コロナ 賃金が激減


 自交総連大阪地連(福井勇委員長)は3月12日午前、春闘ヤマ場の「大阪総行動」(提起=大阪労連・大阪春闘共闘委員会)に呼応して新大阪駅、大阪駅、南海なんば駅で宣伝行動を展開。同日午後には大阪タクシー協会交渉に取り組み、「白タク合法化阻止に向けた共同」「労働条件改善」に加えて新型コロナウイルス禍による賃金低下・雇用危機から乗務員を守るよう要請しました。

 午前の宣伝行動でマイクを握った福井委員長は待機中のタクシー乗務員に向けて「クレジットカードなどの手数料を労働者から徴収している会社が少なくない。たとえばスーパーのレジ係はカード手数料を徴収されているだろうか」「有休を取れば月給が大きく減るから休めない、これでは有休が付与されていないのと一緒だ」と指摘し、「労働条件改善を一人で訴えても会社は聞く耳を持たない。ぜひとも私たち自交総連にご相談を」と呼びかけました。
 吉田副委員長は「安倍政権は道路運送法を改悪し、自家用有償旅客運送を拡大しようと狙っている。ライドシェア・白タク合法化推進勢力は自家用有償を突破口にするつもりだ。巨大IT企業の金儲けのために利用者を危険に晒し、運転者を“名ばかり自営業者”にし、地域公共交通を亡ぼす企みを許してはならない」と訴えました。

スライド賃下げの防止
国交省「告示」守らせろ


 同日午後からの大阪タクシー協会交渉で組合側は、
 (1)〈自家用有償旅客運送の拡大についてライドシェアへの突破口とされないよう反対の立場をとること。地域公共交通会議や各種法定協議会などでは自家用有償の安易な拡大に道を開かぬよう警戒心を高めて対処すること〉
 (2)〈運賃改定時のスライド賃下げの防止、運転者負担の解消等について、国交省通達を遵守し、運転者の労働条件改善をするよう各事業者に指導すること。春闘課題についても各事業者が真摯に対応するようイニシアチブを発揮すること〉
 (3)〈新型コロナウイルス対策で、マスク・消毒薬の確保や労働者の休業時の生活保障等の措置を国や地方自治体に協力を求めて、実施すること。予想される営業収入低下について、タクシー事業の経営維持、労働者の生活を保障する特別な緊急対策を政府に強く要請するとともに、加盟事業者に対しては雇用調整助成金制度や『病気休暇』(3月3日から実施、上限50万円)の活用など、あらゆる手段を講じて雇用・賃金を守るよう指導すること〉を要請しました。
 大タ協からは井田信夫専務理事、黒田唯雄参与が応対。協会側は自家用有償について「さまざまな角度から検討し、白タク・ライドシェアに道を開かないよう努力する」、スライド賃下げ防止、労働条件改善については「通達とか附帯決議で謳(うた)われていることを無視するわけには絶対にいかない」、新型コロナ対策については「全タク連が事業者助成金の創設などを行政に要請しているが大タ協としても求めていく」と応じました。