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〈続報〉ロイヤルリムジングループ600人全員解雇
2020/04/27

コロナ禍 悪用の暴挙


 東京のロイヤルリムジングループ(金子健作社長)は4月8日、コロナウイルスの感染拡大による営業収入の急減を理由にして事業休止、600人の乗務員全員に解雇を言い渡しました。会社が倒産や廃業するわけではなく、コロナ特例の臨時休車措置を利用し車両は維持し、11月以降に再開をめざすもくろみで、雇用責任の放棄、コロナ禍悪用の暴挙です。

国交省が全タク連に要請
支援措置活用し雇用守れ


 同グループの目黒自動車交通には、自交総連東京地連の目黒自交労組があり、8日に同社内の多数派労組と共同で団交を行いました。社長は「休業補償より失業給付を受けた方がメリットがある」「会社は11月以降にリセットして再出発する」などと説明。組合側が「休業して雇用調整助成金をもらえばいい」と提案しても耳を貸さず、解雇予告手当は払えないとして解雇という言葉を避け、全員「退職合意書」にサインしてもらいたいと言い張りました。
 組合では、多数派労組との共同を行いながら、弁護士事務所にも相談、労働委員会や法廷闘争も視野に入れて、たたかうことにしています。

業界への信頼損ねる

 国土交通省は4月13日、「新型コロナウイルス感染症に関する雇用調整助成金の活用について(周知依頼)」とする事務連絡を全国ハイヤー・タクシー連合会に宛てて出し、雇調金をはじめ各種支援措置を活用して、雇用の維持にとりくむよう要請しました。
 事務連絡の別添1「タクシー事業者の皆様へ」では、雇調金が歩合給のため受けられないというのは誤り、雇用保険の方がメリットがあるという判断は必ずしも正しくない、などの説明をして、「恒常的な人手不足に直面しているタクシー業界において、安易な解雇に言及することは、業界や企業に対する信頼を損ね、一層問題を深刻化させる」「雇用継続の努力が十分になされることが大変重要」としています。
 この要請は固有名詞こそ出ていませんが、ロイヤルリムジンの退職強要方式を事実上否定するもので、同社の不当行為が浮き彫りになりました。
 すでに休業計画を立て、休んだ労働者には休業手当を支払う計画を実施している会社もありますが、中には“雇調金の仕組みがわからない”とか“労働者に不利になる”などの理由をつけて休業計画を渋る経営者もいます。
 国交省の要請をもとに、特例措置を最大限活用して、労働者に有利になる休業計画をつくり、雇用を守ることが必要です。