HOME  <  タクシートピックス

タクシートピックス

更新情報・ニュース

過去のタクシートピックスのトップへ

詳細記事

大津市が白タク特区提案取り下げ
2020/11/05

大津市が白タク特区提案取り下げ 大津市の担当者(右)に要請書を提出する自交関西ブロック(現関西地連)の要請団(18年5月16日)

要請・交渉、全戸ビラ配布、駅頭宣伝
自交関西2年半の運動が結実


 滋賀県大津市が、越(こし)直美前市長時代に提案していた自家用ライドシェアを含む国家戦略特区構想を取り下げたことが分かりました。県タクシー協会の田畑会長らが10月19日に佐藤健司市長と面談して、市長から説明されました。複数の業界紙が伝えています。

 大津市は越市長時代の2018年2月、内閣府に対し国家戦略特区提案を行い、その中で「自家用自動車の活用」(道路運送法の規制を緩和して、観光客を対象とした自家用有償運送を導入、民間事業者による乗車マッチングシステムの活用を検討)を求めていました。
 危険なライドシェアにつながる提案に対し、自交総連関西ブロック(現関西地連)では2018年以来、組合員が何度も現地に出向いて、駅頭での宣伝、地域への全戸ビラ配布、市長・市議会への申し入れ、滋賀県タクシー協会や大津市職員労働組合連合会との懇談など反対運動に取り組んできました。市民宣伝では、ライドシェアの危険性とタクシーを活用した地域公共交通の充実をくりかえし訴えて、反響を呼びました。
 こうした運動もあって、越市長は今年1月の市長選挙への立候補を断念。当選した佐藤市長は、コロナ対策の臨時タクシー利用券の交付や助成金の支給などタクシーを組み込んだ地域公共交通政策にかじを切り替えています。
 国が、地方自治体に国家戦略特区に立候補するように勧めているなかで、自治体が無謀なライドシェア特区などに手を上げないようにする対応の重要性が改めて明らかになりました。
 関西地連の庭和田書記長は「暑い時も寒いときも地道な宣伝行動や各戸ビラに奮闘した組合員の一人ひとりの顔が浮かびます。運動の成果が結実したことを共に喜び白タク・ライドシェア合法化阻止に今後も奮闘する」とコメントしました。