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コロナ禍で業界に見切り
2021/02/25

府下で1649人も減少 1.5倍化した原因は事業者の対応


 大阪タクシーセンターの統計によると、管内の21年1月30日現在の運転者証交付数(個人タクシーは事業者乗務証)は20627人で前年同月からの1年間で1460人減少。減少幅が前々年→前年(985人)の1.5倍となっており、深刻な営収低下や事業者の不当な対応に見切りをつけ職場を去る乗務員が増えるなどコロナ禍による影響がうかがえます。

 現役ドライバーの人数を示す運転者証交付総数(別掲)を見ると、昨年同月比で1460人減少し、大阪府B地域(189人)も含めると1649人も減少し、減少数は約1.5倍増加しています。
 「65歳以上70歳未満」を見ると、946人の減ですが、「70歳以上75歳未満」は280人増。「75歳以上」も255人増で、70歳以上の層だけ増加していることが分かりました。
 「50歳未満」「50歳以上55歳未満」「55歳以上60歳未満」「60歳以上65歳未満」をいわゆる現役世代としてひとくくりにして見ると、すべて減少に転じています。
 全体に占める現役世代の割合は49.6%(19年48.9%、20年51.1%)と、ほぼ横ばいでしたが、総じて見ると、今年1年で大幅にタクシー業界から退出した労働者が急増していることが分かります。

労働者に寄り添わず
「最賃」も支払わない


 この間、大阪地連に寄せられた労働相談の中身を総括すると、「最低賃金を支払ってくれない」「基礎疾患がありコロナが怖いのに休ませて貰えない」「雇用調整助成金の活用やコロナ対策休業支援金に会社が協力しない」など、労働者のくらしに直結する賃金問題に対して、事業者が労働者に寄り添わないだけでなく、コロナだから労働基準法違反は当たり前だと言わんばかりの不当な対応が現場で行われ、タクシー業界に見切りをつけた労働者が続発した結果だと言えます。
 「乗務員不足」を口にする事業者が少なくありませんが、こうした不当な対応を行っている限り、人の流入は期待できず、この状況が改善されなければ、早晩白タク・ライドシェア等の勢力に業界ごと呑み込まれ、霧散してしまうことを労使で真剣に協議し、抜本的に改善する必要に迫られているのではないでしょうか。
(書記長・庭和田)