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「営収下落」は必至 第4波直撃に備えよ
2021/04/05

「営収下落」は必至 第4波直撃に備えよ 難波・高島屋前のタクシー乗り場(3月31日)

雇調金・休業支援金などフル活用し需給調整を


 1回目の緊急事態宣言発出(昨年4月7日)から1年を迎えます。未曾有の営収減が直撃し、タクシー乗務員にとってはウイルス感染の危険性と二重の意味で命と暮らしを脅かされた1年でしたが、ここに来て強い感染力を持った変異株による第4波が影を落としつつあります。

 大阪タクシー協会が毎月公表している大阪府のタクシー「輸送実績」(普通車)でコロナ禍を振り返ると、昨年3月の第1波、8月の第2波、12月の第3波にそれぞれ反応して営収の前年同月比が大きく下落していることがわかります。
 昨年2月には33189円(前年同月比437円増)だった日車営収が、コロナ感染拡大とともに3月に入ると前年同月比6592円減の27121円と急激に悪化。4月7日に緊急事態宣言が出ると駅待ちが2時間を超えるようになり、深夜の需要はほぼ消滅。4月は前年同月比15932円減の17574円と記録的な下落となりました。実働率は3月が63.0%(前年同月比3.9P減)、4月が53.3%(同13.5P減)でした。
 雇用調整助成金制度の特例措置が4月1日から始まると各社が休業に踏み切り、5月の実働率は37.8%(前年同月比26.9P減)。それでも同月の日車営収は19714円(同12000円減)でした。
 緊急事態宣言が解除(大阪府=5月21日)されると、休業していた事業者の一部が営業再開し、6月の実働率は51.2%。7月以降は60%前後で推移しています。営収はどん底からは脱したものの前年同月比が6月は5362円減、7月は4653円減。第2波で感染者が急増した8月は、8353円減でした。
 そして第3波が襲った12月は前年同月比9432円減、今年1月は9908円減。2回目の緊急事態宣言が出たにも関わらず1月の実働率は54.5%でした。

再び最悪期に突入か

 大阪市域で乗務するなかまのAさんは、「3月24日(水)までは日勤で営収1万5千円を超えていたのが、26日(金)には急激に落ち込んで7千円台しかあがらなかった。アプリの呼び出しも8時間中4回だけで、うち2回は不成立。昨年4月頃の最悪期を思い出した」「その週の大阪府の新規感染者が日ごとに急増したのと関係があるのかも」と危機感をつのらせています。
 ※大タ協「輸送実績」では、タクシーの車種区分が昨年2月分から「中型車」と「小型車」を合わせて「普通車」となったため、本記事での前年同月比・前年分は「中型車」の数字を用いています(現普通車の車両数に近いため)。