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休息期間(インターバル)は11時間以上必要 1071団体・ネット2万7千筆の署名提出
2022/01/25

休息期間(インターバル)は11時間以上必要 1071団体・ネット2万7千筆の署名提出 署名提出後の記者会見 (最左)日の丸労組の高橋さん、2人おいて自交本部・菊池書記長(21年12月24日、東京・厚労省で)

運転者の過労死なくせ


 「自動車運転者の労働時間等の改善の基準」の改正審議で、休息期間(=勤務と次の勤務の間の時間、現行では8時間以上)を「11時間以上」とする厚生労働省の当初案が危うくなっている問題で、自交総連は建交労や雇用共同アクション(全労連、全労協、MIC、全国港湾などが参加)とともに12月24日、厚労省に署名を提出し、記者会見を行いました。

 厚労省要請では、この日までに集まった団体署名1071団体、インターネット署名2万7000筆以上を提出。ネット署名には一般の人から多くのコメントが書き込まれています。
 対応した労働基準局監督課・過重労働特別対策室の黒部恭志室長は「一般市民のコメントはすべて読む」としたうえで、「人手不足は長時間労働が敬遠されているということも大きい。使用者側には、目先のことだけでなく将来のことを考えないと若い人が入ってこない、ということは話している」「(時短で)サービスが今までと変わっても、国民にも受け入れていただきたい、という話だ」「休息期間は、総拘束が長くてもここで縛れば効果が出るという点で重要な課題。過労死防止やEUの基準をもとに11時間という案を出したので、そこをめざしたいというのが事務局(厚労省)の思いだ」「(オブ参加の)国交省にも話してもらうようにする」と、世論を受けてかなり前向きの回答がありました。

過労の背景に歩合給

 記者会見では、バス・タクシー・トラックの労働者から実情が述べられ、日の丸自動車労組の高橋昭裕さんは、「夜勤で働いている。タクシーは歩合給で、稼ぎたいために長時間働く人もいて、それで体を壊す人も多い」など実情を話しました。
 自交総連本部・菊池和彦書記長は「厚労省が追加で出した9時間という案には何ら科学的根拠がない。過労死防止、乗客らの安全のためには11時間の休息期間が絶対必要」と説明し、「これに反対している使用者側は安全より事業の都合を上に置くもので、厚労省は妥協するのではなく、11時間で決まるよう説得すべきだ」と述べました。
 記者会見はNHKのインターネットニュースで配信されました。また、自交総連は、この改正を審議している専門委員会の公労使全委員18人と厚労省に12月17日に「意見書」を送りました。
 (自交総連本部『自交労働者情報』21年12月27日付)