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宣言なき“緊急事態” 現実逃避は許されぬ
2022/02/15

繰り返される政府・維新府市政の失策


 大阪タクシー協会が毎月公表している「ハイヤー・タクシー輸送実績」によると、21年12月のタクシー・普通車の平均日車営収は前年同月比7934円増の34986円。12月は大阪府のコロナ新規感染者数もひと桁まで下がり、楽観ムードが漂っていましたが、年が明けてオミクロン株が猛威を振るい、2月9日には大阪府で31人の死亡が確認されています。

 国土交通省がまとめたコロナの「関係業界への影響調査」結果によると、12月のタクシー業界(全タク連を通じて全国266事業者に調査)は、運送収入がコロナ前(19年12月)より30%以上減の事業者が14%、輸送人員は約23%減となり、同省は「改善傾向にあるものの、依然として厳しい状況」と分析。1月以降は約3割の事業者が30%以上の運送収入減を見込んでおり、「引き続き厳しい状況となる見通し」としています。
 昨年のいまごろ、21年2月の平均日車営収は22811円、前年同月比10378円もの減でした。歩合制賃金であるがゆえに「月給が数万円しかない」「生活できない」との悲鳴が上がり、感染の不安と生活の二重苦にタクシーに見切りをつけ離職するなかまも続出。コロナ前から存続が危ぶまれているタクシー業界が崖っぷちに追い込まれているのが現実です。

需給調整が必要

 タクシーには公共交通として果たすべき役割があります。政府の「新型コロナウイルス対策の基本的対処方針」でも「社会の安定の維持の観点から、企業の活動を維持するために不可欠なサービスを提供する関係事業者の最低限の事業継続を要請する」としており、その中にタクシーも含まれています。しかし求められているのはあくまで「最低限の事業継続」であり、平時と変わらない状態で野放図に続けてよいという意味ではないはずです。
 大阪地連は昨年3月の大阪タクシー協会交渉で、〈恒久的な減車など需給調整をはかるための施策を講じ、地域ごとに関係者が適時集まって減車などを協議する場を設けるよう検討すること〉を要請事項に盛り込みましたが、改めて強く要請しなければなりません。
 22春闘の大阪地連「基本的統一要求(案)」(2月1日の第1回執行委員会で確認、同24日の第79回中央委員会に提案)では、「雇用調整助成金やコロナ対策休業支援金制度を最大限活用すること」を1番目に掲げ、「若年労働者の流入を促す固定給を設けるなど最低賃金法違反が生じない賃金体系に改善すること」も盛り込んでいます。