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大阪タクシー協会に要請〈3・10大阪総行動〉
2022/03/25

大阪タクシー協会に要請〈3・10大阪総行動〉 趣旨説明をする大阪地連・福井委員長(前列中央)と要請団(3月10日、大阪市中央区で)

多すぎる車減らせ
乗務員負担やめろ


 自交総連大阪地連(福井勇委員長)は3月10日、春闘ヤマ場の「大阪総行動」(提起=大阪労連・大阪春闘共闘)の一環として大阪タクシー協会(坂本栄二会長)交渉に取り組み、労働条件改善、コロナ危機対策、白タク・ライドシェア合法化阻止での共同などを要請しました。

 交渉に組合側は大阪地連三役・常執・執行委員ら8人が参加。協会側は井田信雄専務理事、黒田唯雄常務理事が応対しました。
 今回組合側が要請したのは〈雇用調整助成金や休業支援金制度を活用した計画休業を行い、雇調金の休業手当は平均賃金の100%を支給するよう加盟事業者に指導すること〉や、〈国の制度を活用して供給過剰を是正するよう加盟事業者に徹底すること〉、〈業界の構造的問題、過度な運賃割引、乗務員負担制度など山積する諸問題を解消するための集団交渉開催〉など5項目(左に別掲)。
 協会側は、大阪市と大阪メトロ、ウィラーが社会実験を進めているAIオンデマンド交通※1について、「これがライドシェアにつながることは、松井市長の発言※2からも考えられる。協会としては好ましいものとは思っていないが、地域公共交通会議で覆すのは難しく、タクシー会社も協業することで決着がついた。今後は持続的にこういうものが成り立つのか検証を十分に行なった上で対応していく」と述べました。
 また法律の制定や改正で、昨年4月から中小企業でも正社員と非正規雇用労働者の「同一労働同一賃金」が求められていること、今年10月から従業員数101人以上の企業で働く短時間労働者(週の所定労働時間20時間以上)にも社会保険加入が義務化されることについて、「周知徹底を図っていきたい」としました。

“下請け化”に危機感を

 組合側は「車庫で埃(ほこり)をかぶってる車に経費をたれ流しながら“賃上げの原資がない”は理由にならない」「需要が回復しないなかで働かせるだけ働かせて最低賃金法違反、そして運賃にのせるべき経営コストを乗務員に負担させている。運賃の割引分を営収から引く会社もある。業界の“不法”イメージを払拭しなければ未来はない」と強調。
 さらに組合側はAIオンデマンド交通について、「“協業”というが下請けと化して、首根っこを押さえられはしないかと心配している。協業する会社より被害(運収減)だけ受ける会社のほうが圧倒的に多い。大阪市の24区全体に拡げられたら致命的だ。もっと危機感を持ってほしい」と警鐘を鳴らしました。
 ※1 AIオンデマンド交通=エリア内に網目状かつ300メートルごとに乗降場所を設置し、複数の利用者がスマホアプリなどで事前予約した日時や乗降場所に応じてAIが最適な運行ルート、配車をリアルタイムで行う乗合輸送サービス。
 ※2 2020年7月30日、松井一郎大阪市長会見での発言「大都市ではウーバー(ライドシェア)を導入すべきだが日本ではなかなか進まない。まずはオンデマンド交通でスマートシティをめざす」(大意)