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大タ協・交渉 昨年の懸案(過度な割引)解消へ
2023/04/05
大阪タクシー協会の井田専務理事に要請書を手交する福井委員長(左側)
残る運転者負担
大阪地連は3月9日、中央区の大阪タクシー協会(坂本栄二会長)を訪れ「運転者の労働条件改善、地域公共交通の危機打開について」要請(6項目)行動を行い、協会側は、井田信雄専務・黒田唯雄常務理事が応対し、組合側は三役・執行委員ら7人が臨みました。
交渉に先立ち福井委員長は「前回の25年ぶりの運賃改定はコロナで吹っ飛んでしまい、実感はようやく昨年末ぐらいの営業収入の増加で感じられたぐらい。前回も言ったが今回の運賃改定で乗務員負担を解消するよう加盟事業者に伝えて欲しい」などと求めました。
タクシー類似行為反対のスタンスは変えない
大阪地連が求めた運賃改定前後のスライド賃下げや各種手数料、事故弁償金を労働者に科している事業者をなくすことについて、井田専務は「改正タクシー特措法の成立時、衆参の附帯決議で事業に要する経費を運転者に負担させる慣行と(過度な割引)運賃制度の見直しが指摘された。改善は当然のことと思う。自交総連の要求は役員に申し伝えるが、労使間で協議して改善していただきたい。ただ昨年の懸案だった遠距離割引については、ほとんどの事業者が運賃改定とともに是正申請していると承知している」と回答。
ダイナミック・プライシングの導入やタクシーにおける協議運賃制度(届出運賃)の創設について、井田専務は「東京で行われた変動運賃の実証実験は承知しているが、変動条件など何も聞いていない。導入については利用者に適切な説明と価格要因の変動について納得感を持ってもらうなどしなければ中々できないと思う。協議運賃制度については2月の正副会長会議で1枚の資料を頂いただけ。運輸局に聞いても具体的な中身の話はないとのこと。見解を聞かれているが、経営委員会で協議もしていないので会員にも伝えていない状況」と応えました。
若年労働者の流入を促すため、事業者団体と労働団体が一堂に会して議論する場を早急に設けるよう求めたことに対し、井田専務は「労使懇談会でやることはやぶさかではない」などと述べました。
府内で行われている各種実証実験の今後の対策について、黒田常務は「各協議体に地元のタクシー事業者が参画し意見を反映させていく、AIオンデマンドは協業という形を取りながら対応するが、タクシー類似行為は反対だという基本的スタンスは変えるつもりはない」と明快に回答しました。