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4・18「怒りの行動」 交通弱者の切り捨て許さぬ
2023/05/08

4・18「怒りの行動」 交通弱者の切り捨て許さぬ

国交省タクシーの公共性壊すな


 自交総連大阪地連(福井勇委員長)は4月18日、タクシー規制緩和(2002年2月1日)を強行した行政に対する「怒りの行動」を実施。近畿運輸局が入る合同庁舎4号館前(大阪市中央区)で抗議・宣伝行動に取り組み、国交省、厚労省に対して「ダイナミック・プライシング(変動運賃)、協議運賃反対」「勤務間インターバル9時間では過労死は防げません」などと横断幕でアピール(上写真)し是正を求めました。

 タクシーの規制緩和が実施された2月1日に合わせ取り組む「怒りの行動」は、昨年に引き続き新型コロナ・オミクロン株の影響を受け実施日を変更し、今年は4月18日に行いました。
 早朝から約20人の組合員が「ダイナミック・プライシング(変動運賃)、協議運賃反対」「勤務間インターバル9時間では過労死は防げません」と横断幕でアピールし、タクシーになじまない「変動運賃制度」や「地域協議運賃」を導入しようとしている国土交通省に対して抗議行動を展開。組合員らは、出勤途上の市民や合同庁舎に勤める労働者に、変動運賃や協議運賃の問題点を指摘するビラを配り支援を呼びかけました。

特区活用し
白タク狙う維新


 宣伝カーから福井委員長は、受益者負担と称し未だ乗務員負担を課している事業者がいることを告発し、運賃改定と同時に業界から乗務員負担を一掃するよう近畿運輸局の指導を強く求め、つづけて「先の総選挙や統一地方選挙でライドシェア解禁を公約に掲げる維新の会が議席を増やした結果、関西・大阪万博を口実に国家戦略特区を活用したライドシェア解禁が強行されかねない」と強い危機感を吐露しました。
 そして同委員長は「国交省はダイナミックプライシングの実証実験の検証も十分にしないままタクシーに導入しようとしている。変動運賃制度は、需要の増減にあわせて運賃が5割も上下するもので、日常的にタクシーを使う高齢者や障がい者など交通弱者が一番困る制度だ。地域公共交通は、いかなる状況でも誰もが平等に、一定料金が当たり前でなければならない」などと訴えました。

運賃競争が
起こってしまう


 松原副委員長は、地域協議運賃について「国交大臣は都市部で準特定地域指定(新規参入などの規制)が解除されれば、その地域は都市部ではないという詭弁を弄しているが、指定が解除となれば協議運賃の適用が可能となり、またもや運賃競争が起こってタクシーの安心・安全が脅かされる。過疎地などでは逆に割高な運賃が設定される可能性があり、ここでも交通弱者が被害を受ける。このような制度は、地域公共交通にはなじまない」と指摘し、「国がやるべきことは、地域公共交通としてのタクシー、バスを持続的に維持できるよう十分な補助金を出し利用者の利便性を高めることだ」と語気を強めました。
 庭和田書記長は2024年4月から実施される「改正」改善基準告示について、「今後3年間も勤務間インターバル9時間が放置される。交通運輸職場の過労死や重大事故も後を絶たず、厚労省のダブルスタンダードには呆れるが、犠牲者を出さない制度づくりが急がれる。少なくとも国交省が運用面で歯止めをかけるべきだ」などと訴えました。