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菅前首相「ライドシェア解禁へ議論を」と意欲示す
2023/09/06
誰が招いたこの現状
期間限定だが第二種運転免許を否定する全タク連会長の川鍋プランや、「人手不足」や「色んな観光地で悲鳴が上がっている」などと指摘しライドシェア解禁議論に言及した菅義偉前首相、そして京都駅のインバウンド対策としてライドシェア導入の必要性を繰り返しテレビで発言する堀江貴文氏や橋下徹氏など、推進勢力が「ライドシェアの負の部分には一切触れず」一気呵成に導入を求める声を挙げていることは喫緊の課題です。労使双方が看過していると取り返しの付かないことになりかねません。
菅義偉前首相は8月19日、外国人観光客誘致や地方創生をテーマにした講演会(長野市内で開催)で、白タク=ライドシェアの解禁について発言しました。
反省なき政治家たち
対談の場で、「インバウンドの回復によって空港などでタクシーを待つ訪日客の行列ができている。その対策として、ライドシェアに肯定的か」と問われると、菅氏は「私はそう思っている。党内にも色んな意見があるが、これだけ人手不足になってきたら、そうした方向も必要かなと思う。議論していきたい」とライドシェア解禁への意欲を示しました。
コロナ禍で鳴りを潜めていたライドシェア推進勢力は、政治家へのロビー活動と全面解禁に向けた時機を探っていたのではないでしょうか。マイナ保険証問題で総スカンを食う河野太郎デジタル相の追随発言など、一部の政治家にとっては、自分たちの失政(現場を見ない政策、交通運輸の規制緩和で公共交通はボロボロ)を覆い隠す絶好の機会と捉えているのかも知れません。
どちらに転んでも…
そうした下で推進論者が諸手を挙げて喜ぶ提案を全タク連の川鍋一朗会長が行い、その川鍋プランは1年限定としていますが第一種運転免許でタクシーが運行できる制度の創設です。この動きは、結果的に外堀も内堀も埋められてしまいかねない危険性をかつてなく高めています。
自交総連は、国が行うべき急増する交通需要への対策は、安易にライドシェア解禁の議論をすることではないと強く主張します。急ぐべきことは、タクシー業界に人が流入してこない根本的な原因を解消するために、タクシー労働者への社会的水準の賃金保障と職場環境改善を行うことです。
安心・安全で持続可能な地域公共交通を守るとりくみとライドシェアから自交労働者を守る闘いを両輪に利用者への理解と支持を求め目に見えた運動を強化しなければなりません。