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規制改革という不適切な悪巧み 大量輸送機関を守ることが先決
2024/09/11

内閣府 ブラックボックス化するWG


 自交総連(庭和田裕之中央委員長)は8月27日午後、衆議院第2議員会館会議室で、内閣府、国交省交渉に臨み、規制改革推進会議・地域産業活性化ワーキンググループの結論ありきの議論やブラックボックス化する進め方など運営そのものへの疑義を追及。国土交通省に対してはタクシーの規制緩和を進めているが、斉藤鉄夫国交大臣の「タクシー労働者の賃金や労働環境に配慮しなければならない」などとの国会発言に対する施策・セーフティーネットを議論しているのかを問いました。

 内閣府との交渉は、国土交通委員の高橋千鶴子衆議院議員(日本共産党)と同委員の田村智子参議院議員の秘書らも同席しました。
 組合は、規制改革推進会議の「答申」やそれにもとづく地域産業活性化ワーキンググループの「結論ありき」の偏った議論とともに、道路運送法第78条2号の自家用有償旅客運送の緩和、さらにライドシェア新法を拙速に策定しようとしていると指摘するとともに、「専門的・技術的」の意味が何に対するものなのか、前回の交渉時に委員は河野大臣が指名したと回答していたが、構成員に弁護士が3人も入っており、新法策定に向けた議論をしているとしか思えない。委員選任の公正性や非公開でブラックボックス化するWGの運営のあり方を正しました。

大量輸送機関を守ることが先決

 つづけて組合は、国民の移動の確保は、規制緩和でボロボロになった鉄道・バスなどの大量輸送機関を守ることが先決で、タクシーだけ問題視するのはそもそもおかしい、タクシー事業者以外の者を実施主体とするライドシェア事業の法律制度(=ライドシェア新法)の策定に繋がる議論を進めないよう求めました。
 内閣府は「閣議決定された規制改革実施計画の中で『タクシー事業者以外の者が行うライドシェア事業について、内閣府・国交省の論点整理を踏まえ、法制度を含めて事業の在り方の議論を進めるとなっている』ことから、WGの委員の先生方が議論を進めている」と述べるだけで、具体的な内容を訊くと、内閣府の担当者は「事務局なので……」を繰り返し、まともな答弁が返ってきませんでした。

国交省 タク労働者保護と両輪で議論せよ


 国交省との交渉で組合側は、日本版ライドシェアや公共ライドシェアの導入によりタクシー労働者の労働条件が低下した場合、「ライドシェアによる労働環境への影響に留意することが重要」とする斉藤大臣発言や、立憲民主党の水野素子参議院議員の質問主意書に対し、タクシー労働者への労働環境等に与える影響に留意するとした政府の「答弁書」もあるが、具体的な保護対策が国交省で検討されているか確認しました。
 国交省は「タクシーの補完として設けている制度なので、需要は被らないと考えている」と回答。組合側は「それは机上の空論だ、大臣発言は軽くない。規制緩和を進めるのであれば、労働者保護も政策として両輪ですべき問題、我々は02年の規制緩和で苦しめられた苦い体現がある」とし議論を急ぐよう求めました。
 準特定地域の指定基準については、不適切に厳しい要件を設けるような改悪しないことを求め、指定基準の指標の「日車営収」については、数度の運賃改定も実施されていることから、「平成13年度と比較して減少」を見直すよう求めました。

不適切に変更すること考えていない

 国交省は「速報値からすれば、指定が解除される地域はほとんどない。特定地域・準特定地域の特措法は全会一致の議員立法であることから、定められた指定基準をもとに進めていきたい。これを不適切に変更することも含めて考えていない。省内で議論もあったが、恣意的と捉えられることから客観的な数値の方が良いとなった」と回答しました。
 国交省は“交通空白”という言い方に変わったが変更点があるのか質すと、担当者は「交通空白地と交通空白時間だったが、両方を併せて交通空白とした。変更点はない」と明言しました。