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2010年06月の記事
大阪交運共闘が大阪労働局・近畿運輸局に要請
2010/06/07
近運局自交部・田村旅客一課長(右)に要請書を提出する大阪交運共闘・八剱議長
改善基準告示の抜本的改正・法制化で過労運転ストップを
大阪交運共闘(八剱〈やつるぎ〉秀明議長=国労大阪)は5月21日、大阪労働局・近畿運輸局とそれぞれ交渉を行い、現状では過労死認定基準以上の長時間労働を可能にしている『改善基準告示※』の抜本的改正および法制化を要請しました。自交総連大阪地連からは岡田委員長と松下書記次長が出席しました。
近畿運輸局との交渉で、要請の趣旨説明を行なった芦崎光夫事務局長(建交労)は、広島県・山陽自動車道のトンネルで過労運転の大型トラックが乗用車に追突した死亡事故を例にあげ、「『改善基準告示』が守られていない。そもそも『改善基準告示』自体が過労死認定基準を超える長時間労働を容認している。休息期間(2乗務の間で睡眠時間をふくむ全く自由な時間)の最低が8時間では、通勤時間などを考えると睡眠時間をまともに取ることができない」と指摘。そのうえで、『改善基準告示』について4項目(@1日の拘束時間の限度を原則11時間とすること、A1か月の拘束時間については原則242時間を限度とすること、B休息期間については原則13時間以上*とし、休息地については居宅もしくは駐車場、宿泊設備を完備した施設とすること、C『改善基準告示』を実効性ある法律にすること)の改定・法制化を行うよう求めました。
さらに観光バスについては、ワンマン運行1日の上限距離規制670`(2日を平均して、最高1340`まで容認)を1日500`以下にすることなどを申し入れました。国交省はあずみの観光バス死傷事故に見られた過労運転を未然に防ぐためにも、最高乗務キロ規制に踏み込むべきです。
※改善基準告示=「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(平成元年労働省告示第7号、最終改正平成9年労働省告示第4号)
*=トラックにおいては車両内ベッドでの休息を除く。
中央交通闘争
2010/06/07
中央交通闘争について討議する大阪争議団共闘の幹事(5月26日)
不当判決・報復攻撃はね返し勝利めざす
中央交通闘争・セクハラパワハラ裁判の不当判決(5月13日・大阪地裁)を受けた中央交通労組の原告組合員(バスガイド)4人は、同20日に控訴するとともに、大阪争議団共闘会議(森岡文夫議長)に加盟して「運動の輪を拡げ、勝利するまでたたかう」と決意を表明。
原告4人は人格権をも否定された不当判決を覆し、大阪高裁での勝利とともに運動で打開する方針を確認しました。
声 明
中央交通労働組合のバスガイド4名が原告となり、上司である配車担当の運行課長及び会社を相手に、運行課長のセクシュアル・ハラスメント、パワー・ハラスメント及びその後の原告らに対して行われた一連の報復行為に対する損害賠償を求めた裁判で、5月13日、大阪地方裁判所第23民事部(裁判長河合裕行、裁判官後藤誠、同塚田有紀)は、原告らの訴えを棄却する不当判決を言い渡した。
大阪地裁の判決は、職場におけるハラスメントや労働現場の実態を理解することなく、一方的に上司や会社の主張や証言を根拠なく採用した、明らかな偏向判決である。
第1に、判決は、セクシュアル・ハラスメントやパワー・ハラスメントにつき、原告らがすぐに抗議するなどの行動を取らなかったことを根拠に、原告らの証言を「不自然」として排斥した。判決は、とりわけ女性労働者が職場内で上司からハラスメントを受けた際に、容易に声を上げることができない立場に置かれていること、そして、ハラスメントの背景には性差別のあることを一顧だにしていない。
第2に、判決は、原告らバスガイドの職務やその立場を理解せず、法廷での証言をも軽んじ、他方、加害者である上司や会社の主張や証言については根拠を示すことなく採用しており、原告らに対する差別と偏見に満ちている。
第3に、判決は、原告らの訴えたハラスメントの一部について、その事実を認定しながらも、いずれも不適切だが「社会的な許容範囲」として違法性を認めていない。また、原告らが改善を申し出た後にセクハラ規定を整備した会社の対応や、改善を求めた原告らに解雇をほのめかし「たかが胸を触ったとか触らんとかという話で人生棒に振るのか」などと発言した社長の暴言までをも不問とした。判決が示したこういった規範は、厚労省の指針にも反し、判例の流れにも逆行するものであり、職場内でのセクハラやパワハラといった暴力やいじめの横行を是認するものである。
第4に、判決は、原告らバスガイドに対して報復的に行われた掃除や草むしり等の指示を「誰かがしなければならない必要な作業である」といった理由で報復目的ではないと判断するなど、現在も続いている原告らに対する一連の攻撃を否定した。原告らは、この不当判決後、更なる報復攻撃を受けており、会社の攻撃に拍車をかけた裁判所は、その責任を自覚するべきである。
このように何重の意味においても不当な判決であり、原告らは、5月20日、直ちに控訴手続きを行った。弁護団としても控訴審での逆転勝訴に向けて尽力する決意である。
2010年5月20日
中央交通闘争・弁護団一同